黒い渦⑫
「シエル様──!」
両隣から来たシャドウの攻撃を受け止めるが──本来は切り捨てる所を受け止める事になってしまっていた。
『大丈夫ッ──!』
理由は明白だろう。
背後に輝いていた光の結界が今や白銀の色で少しだけ黄金の力を纏っていた。
微かに白銀の繋がりさえも感じていた。
「させません──!!」
ナビが更に自分へと追随して攻撃を仕掛けようとしていたシャドウを切り捨てる。
『ッ!』
そして、自分も受け止めていた精霊剣を巧みに使い受け止めていた攻撃を受け流して両隣のシャドウを切り伏せる。
「グァァァァア──!!」
自分と今や白銀の結界の繋がりを感じたのか、漆黒の龍は自分と背後の結界へと焦点を絞ったのか大きなブレスを吐こうとモーションを移行しては今や吐き出そうとしていた。
『ッさせない!』
「シエル様──!!」
精霊剣を交差させては吐き出されたブレスを受け止めるが──。
『「ァァ──!!」』
ナビと自分の今の力では切り飛ばす事も、背後へブレスが行かないように割ることも出来ずに居た。
「闇の力よ──」
「光の力──」
「合わせるぞ──!!」
そこへ、バルとシュン──そして2人と攻撃を合わせて自分達へと加勢に来てくれたハクがそこへ間に合ってくれていた。
バァァァ──ン!
っと、見事に力が拮抗させる事が出来たのか目の前では爆発が起きていた。
弾けた魔力が消えていく先には、こちらを嫌そうに睨み付けている黒い力に汚染された漆黒の龍が居るのだった。
「シエルよ──どのくらい温存している」
『今も魔力を生み出してる……少しだけ粘れたら』
「はい、今や漆黒の龍は……黒い渦とも同化しています──生半可な攻撃では通じないかと」
「ならば……」
「あぁ、俺とバルも加勢するぜ」
「バルとシュンよ──我に合わせろ! 振り落とされるではないぞ!!」
そして、ハクは咆哮をあげては漆黒の龍へと一気に距離を詰めるのだった。




