世界の真実⑤
「ああ、それを伝えたかったのだ我は。我が限界ということは他の龍も同じだろう──そして、黒い渦についてもだ」
「ハク……と呼んでも宜しくて?」
「ああ、構わないぞ」
「では、ハクよ。どうすれば良いのでしょうか?」
ノーラさんの言葉にチラッとハクは自分とナビに視線を向ける。
「黒い渦の方も、龍の暴走も2人なら……あの方と同じ気配──そして黒い力を祓える力を持つ2人なら可能だろう」
「ッ──それは……」
ノーラさんもそこで口をつぐんでしまう。
──そうだろうな。
ノーラさんの立場なら分かる。
僕とナビしか対応が出来ないということは、僕たちを行かせなければならないと言うことだろう。
女王の立場──そして、付き合いからの重さが見て取れた。
『ハク、教えてくれ──どう行けばいい?』
「──良いのか?」
「仕方ないでしょう……それにシエル様の意思は堅いようです」
ナビは自分へと視線を投げ掛けつつ、最後までお供しますと自分へと意識を伝えて来ていた。
「ま、待て──!」
「待って──!!」
そして、ナビの言葉の後に慌てたように5人の反応が返って来ていた。




