世界の真実④
「まず話すのには我の生み出された時の記憶を話そう──」
そう言ってハクは順を追って話してくれた。
この世界の管理者……女神がハクを生み出した要因はあの黒い力が異界から流れ込んできたからと生まれる際に伝え聞いたと、そして──女神は自身の力を砕いてはハクと同じ存在、世界に居る6体の龍を生み出しては守護を任せたと。
「だが──」
いつの頃からか、女神との唯一のルートはハク達が揃わなければ開かないはずなのだが、どこからか世界に綻び……自分達のいう黒い渦が世界に顕現してはそこから黒い力が溢れて来たと。
だからこそ、今度は龍達が力を削いでは精霊を生み出しては世界に加護と祝福を与えたのが──いつの間にか、今度は自分達が黒い力に侵されてしまったという事だった。
「黒い力の溢れるのを止められなかった事……申し訳無かった。そして世界に溢れた魔力……これはあの方の力の残滓と言ってもいい──適応しなかった者には酷だったろう」
「「────」」
過去の適応した者としなかった者の暗黒の歴史を知る面々は苦い表情になっていた。
「ハク──そうなりますと……今の黒い渦は? 他の龍達は……」
「うむ。そこで現在に繋がるのだ。我が限界だったのだ──きっと、他の龍も……」
ハクが最後まで話す前に遠くから慌てたように走ってくるノーラさんの護衛の方が見えた。
遠くには同じく走ってくるハンネスも見えた。
「どうしたのです?」
「長距離通信が……たった今──世界に発信されました」
「あれがですか……?」
ノーラさんは駆け付けた護衛の方の言葉に疑問の声を上げていたが当たり前だろう。
それぞれの国家間には例の黒い渦があり、更に龍の濃い魔力によって、ろくに国家間の魔力通信など可能ではないのだから──だが、それを考慮しても送ってくるということは……それほど切羽詰まった状況と言えるだろう。
「内容は……?」
「はっ! 世界中にて黒い渦の暴走と龍の侵攻が始まったとの事です……!!」
ハンネスが背筋を伸ばしつつ報告をノーラさんへとしていた。
その報告を聞いた周囲の人間は多少のどよめきと同じく──視線が自分とナビと……ハクへと注がれていた。




