世界の真実③
「えっと──」
「おお、そうだったな……。気配の話だったか──」
そして、ナビからの再度の質問で気付いたようにハクは話し始めるのだった。
「お主達には、あの方の気配を感じるのだ」
『あの方とは──?』
「我を……いや、我達を産み出し──そして、世界を管理していた者だ」
「管理……ですか?」
「お主達に分かりやすく例えると……女神という言葉がしっくり来るのではないか?」
『──えっ?』
自分の動揺は自分だけでは無く、ナビも──当たり前だろう、ハクの言葉が聞こえていた全員が動揺を露にしていた。
「ハク……すみません、私とシエル様が──神と同じ気配を?」
「似ているというだけだ──お主達は……なんというのだろうか、色々と混じりあっておる感じがするな」
『それは──』
ハクの推察に自分達の経緯を軽くハクへと説明する。
「……随分と無茶──無謀をしたものだな。だが、しかし──申し訳無かった。我が原因だったか……」
『いえ──ハクはその時は既に……今だから分かります。侵されていたのだと……』
むぅ──とハクの沈んだ意識が伝わって来る。
だが、今だから分かる。
ハクは……黒い力が溢れる黒い渦の傍にて常に護っていたのだ、近付いてしまった自分達を遠ざけるのが最初の意識だったんだろうが……次第にそれを攻撃してしまうように黒い力に侵されてしまったのだろう。
「でも、そうなると私やシエル様は神と同列ということに……」
「──分からぬ。だが、同じ気配はするな」
ナビの疑問にハクは肯定を返してくる。
『ハク──話を戻してよいかな?』
「あぁ、良いぞ」
自分の動揺も今現在続いてはいるが、それ以上に火急にというハクの話の内容が気になっていたのも事実だった。
改めて、ハクへとその要件を確認するのだった。




