白銀の龍⑥
『「ハァァァ────!!!!」』
ナビと繋いだ手を更に強く握り締めて、魔力を爆発させて一気に白銀の龍──その核へと突っ込む。
「────!!」
白銀の龍も気付いたのだろうが、巨大魔法と混合魔法の対応で急な自分達への対応は出来ていなかった。
そのまま、自分とナビは障壁が展開しきる前に白銀の龍へと近付き──背後では一気に強烈な巨体魔法と混合魔法が障壁へと注がれている衝撃音を後にしながら白銀の龍の核へと……。
「シエル様──!!」
『分かってる──!』
ナビに案内されるまでもない──。
お互いに今も白銀の龍の核の位置は分かっていた。
この障壁を維持している間は動かないのだろう。
今が勝機だ──!
「これで──!」
『終わりだぁぁぁぁ──!!』
ギギギギギギギ──!!
と、鈍い音がナビと自分の精霊剣の先から響き渡る。
だが、確実に白銀の龍の核へと刃の先は──。
「────」
それは一瞬の事だった。
核へと触れた切っ先が核へと貫いた瞬間──そこからどす黒い魔力が放たれて世界を覆うように巨大魔法も混合魔法も、障壁でさえも呑み込んだ瞬間、次はそれを侵食するように白銀──黄金色の混ざった魔力が浸透しては世界を覆うように粒子へとなって散っていっていた。
「────ゥ」
刺し貫かれた核は──目の前で白銀の核の貫かれた周囲を黄金色の色が混じりあっては新たな核が生み出されていた。
「────我は……」
意識が表層へと現れて来ると同時に傷付いた白銀の龍の箇所が黄金色に染まっては白銀の色も同じように纏っていく……。
周囲の産み落とされたシャドウさえ、先ほどのどす黒い力を奔流を侵食した……いや、浄化した黄金と白銀の混じった力の粒子によって、粒子に触れたシャドウから同じように粒子へとなって消えていっていた。
「この力はやはり──あの方と同じ……、あぁ……やっと──見つけたぞ……」
そう言って白銀の龍の意識は消失すると同時に──。
『いや、待て──! ナビ!』
「分かっています──!!」
白銀の龍はそのまま、意識を消失してはその巨体が地上へと落下していく。
ナビと慌てて、白銀の力を用いて白銀の龍を受け止めようとするが──。
『お、重い──』
「シエル様……もう、力が……」
ナビの気持ちは分かる。
自分もそうだ──。
これ以上は……。
その時だった。
「私を忘れないで下さい──!!」
シロの声が聞こえてきた。
「私はこの中央エリアのマザーです! このくらい……!」
シロの声と同時に中央エリア……いや、白銀の龍が落下していく場所に多重の障壁が展開されていく。
そのまま──。
パリン、パリン──と白銀の龍が障壁とぶつかっては砕かれていきながらも、最後はその衝撃を抑えてはその巨体を地上へと横たえさせていたのだった。




