白銀の龍③
「シエル様──! 白銀の龍の力は……!!」
『分かっている──!』
「ギャァァァ──!!」
──愚かな……──
ッ──?!
白銀の龍の意思だろうか?
何かを感じたと思った瞬間──一気に目の前が白銀と黒い力の合わさった魔力の奔流が自分達へと浴びせられる。
『「障壁──!!」』
パリパリ──パリィィ……ン──!!
『「ハァァァア──!!」』
障壁が崩されてそこから漏れ出る奔流をナビと共に精霊剣で断ち切る。
「シエル様──! 力が──違いすぎます!」
『分かってる──! ナビ! もっと力をお互いに!!』
「はい──!」
もっと──もっとだ……!!
ナビと白銀の力を巡らせては循環して、力を高めて行く。
「その力──」
『話せるのか?!』
口を僅かに開いた白銀の龍から言葉が漏れ出てくる──。
いや、意識をこちらへ向けているのか……?
「滅ぼさねば──」
「シエル様!!」
ナビの声で、白銀の龍が攻撃体勢に入っているのに気付く。
考えすぎたか──!
「させぬ─!! 私の一撃を──!!」
「──ハンネス合わせます!」
「「貫け──!!」」
ハンネスの闇魔法とシロの白銀の力を合わせた魔法が一気に地上より射出され白銀の龍を貫くように見えたが──。
「ギャァァァ──!!」
白銀の鱗を貫く事は叶わず、その鱗によって弾かれ消えていく。
白銀の龍の意識が地上の2人へ向かれると同じく、龍の侵食された黒い部分より更に産み落とされたシャドウが彼らへと群がっていく。
「ッ──! 重力を掛ける──!!」
「分かりました。私は──そこッ!!」
だが、ハンネスの闇の力で彼らへと重力の力で縫い付けてはそこをシロが白銀の槍を出現させては差し貫いていく。
「シエル様──!」
『──あぁ!』
ナビより意識を前に──白銀の龍へと戻される。
まだ白銀の龍は意識を地上へと注いでいる。
「シエル様──」
『ナビ──』
隣り合っては白銀の力を循環──更に強く強く──濃くしていく。
それを精霊剣に這わせて──。
「行きます──!!」
『これで──!!』
一気に力を開放して白銀の龍へと自分とナビの白銀の力を注いだ斬撃を飛ばすのだった。




