本当の想い⑦
『ナビ──!』
「はい! ───はぁっ!!」
ナビがファナから放たれた黒い力の放流を斬り払う──そのままファナの前に踊り出ては一閃する。
「ッ──!!」
「逃げさせません──!」
そのままナビが立ち替わりファナへと一太刀浴びせる。
「ぐぁ──」
『これで──!!』
一気に白銀の力を精霊剣に込める。
「シエル様──! 私のも──!」
同時にナビからも白銀の力がこちらへと繋がる。
『はぁぁぁ──!!』
そのまま一撃をファナへと叩き込む。
「────!」
目の前でファナが黒い力を展開して防御壁を作るがそれ自体も斬り裂いてファナへと強烈な一撃が決まる。
「あああぁぁ──!!」
貫かれた身体には白銀の力が内側からも迸っては周囲へと溢れ出ていた。
「シエル様──!」
『あぁ、これで──』
終わりだ──。
そう言おうとしたしたタイミングで目の前のファナと視線が合う。
その視線には先程には見られなかった理性が光っていた。
ありがとう──。
すまなかった──。
私はこの力を御しきれなさった──。
いや、そもそもこの力は御せるものでは無いのかも知れない──。
あぁ……。
私は──この国を……まも……──。
それはファナとの想いだったのだろうか。
溢れ出る白銀の力が力と共に想いが届いて来ていた。
そして、最後まで伝え終えられずにファナは粒子となり消えていく。
そして、最後は黒い力が晴れた空間が戻って来るのだった。
「シエル──! 終わったのか?」
「父様──!」
黒い力が晴れたのと同じくシャドウも同じく粒子となって消えていっていた。
そこへ、シュンがこちらへ──バルはハンネスの方へと駆け付けて来ていた。
『いや、むしろ……ここからが──』
「え──?」
「はい、ここからが本番です──! 来ます!!」
ナビの声に応えてか──海上方面の方角からその声が轟いて来るのは同時だった。




