本当の想い②
「ほぅ──ここまで辿り着いたのか」
『あなたは──』
「わしか? わしは……あぁ、知ってそうな顔をしているな」
『あなたが──ファナ?』
「そうだ、わしがファナ。このヒノモトを裏から護る組織の頭目だ」
「貴様が──! 貴様が父様を──!!」
「あぁ、短絡的な思考に見えるが──まぁ、合ってるな。目障りだったからな、斬り捨てたまでよ」
「──ッ!!」
ノーラさんとマリが白銀の結界で守られてる横でハンネスが横たわっていたが──今のバルとのやり取りでどうしてそのような状況になり得たのが理解できた。
「あなたの目的は……! いったい……!!」
「わしの目的? それはこの国の完全なる守護に過ぎん」
「それならどうして……一番守らないといけない人を──」
「いや、違うな。彼女らは贄になるのだ。平和のための礎になって貰うのだ」
「贄──? 贄って何?」
リンとファナの問答の最中に気になるワードが再度出てきた事で、今度はレイがファナに問い返していた。
「贄とはこの黒い力を制御と増幅させる為に過ぎんよ? それ以外に何があろう?」
「狂っているのか──?」
ファナの答えにシュンが疑問の声をあげていた。
「くっ──かはっ!」
「ぁ……あぁ……」
『マリ……! ノーラさん!』
「届かんよ──忌々しい結界に阻まれているが順調に力を侵食は出来ている」
『侵食……だと──』
「シエル様──! 既にその結界は姿を保っているだけに過ぎま
──」
ナビの声が最後にシロの白銀の結界が崩れるように壊れていく──。
「申し訳……ございせ──……」
シロに限っては力を使い果たしたのか意識を手放したかのように倒れこんでしまっていた。
「ふはは──はははは!! あぁ! やっとだ! やっと悲願が……! 平和が!! この力があればあの忌々しい邪龍も合わせて祓えるぞ──……」
後半からのファナの声は既に独り言に近くなってしまい、こちらには聞こえて来なかった。
ナビは即座にシロを後方へと逃がしては自分の下へと来てくれていた。
シュンとバル──レイとリンも後方でシロを守るように陣形を整えていた。
「さぁ、後は──」
「あぁぁぁ──!!」
「──! ……ッ!」
2人の……ノーラさんとマリの断末魔が聞こえて来る。
『させない──!!』
「シエル様──! 無闇に突っ込んだら……!!」
「そうだ、危ないぞ?」
ガキンッ──!
っと、ファナの取り出した剣の一撃をナビが防いでいた。
「ッ──! 貴様が特殊個体の精霊か!!」
「ナビです! 私には……立派な名前が……!!」
「何を精霊風情が……!!」
ナビがファナを引き付けてくれてる最中にノーラさんとマリの下へと追い付く。
『──ッ!』
だが、2人へ触れようと思ったが今度は逆に黒い魔力の結界に阻まれてしまう。
「──シエ……ル……か」
『──ハンネス……!』
そんな時に2人の事を守ったのだろう。
どうやってここまで辿り着いたのかはハンネスの身体を見たら分かった。
無理やり牢獄から出たのだろう……そのダメージが身体全体を──いや、魂の部分まで傷付けてしまっているようにも見えた。
だが今は──。
「黒い……力に──やはっ……」
『今、回復を──』
回復をしようと身体の治癒能力を重ねて高めようとしたが、ハンネスの目に押し止められてしまう。
「今はあの2人を──早くしないと取り返しのつか……ッ! いいか、私を経由して……結界へ干渉するんだ……私は一度呑み込まれているから──上手くいくはず……ッ!」
何とか絞り出した声を聞き漏らさないようにし、聞き終えた自分はハンネスの伝えたかった事を理解する。
『未知の力は跳ね返す……?』
そっと、ハンネスの手を取り──結界へ触れさせると抵抗もなく触れることが出来ていた。
そのままハンネスの身体を通して──結界へと干渉を加える……。
馴染んだ身体からの干渉は抵抗する様子はなく……内側──の2人へと干渉の手が伸びたタイミングだった。
自分とマリを繋ぐ白銀の力のパスが一気に繋がるのだった。
「シエ──ル……?」
白銀の力が繋がった影響かマリの意識が覚醒していた……けれども、長くは持ちそうにないのは雰囲気から読み取れていた。




