異変⑩
「通すな──!!」
「ここは通さなイイィィ──!」
「ガァァァア──!!」
「シエル──!? これはどうなっているんだ?!」
『シャドウ化が抑えられなく──変容してるんだ!』
「シエル様──!! こっちです──!」
「リン──大丈夫?」
「だいじょ──」
「ッ──! させない!」
バルが後方から迫っていた一撃を防ぐ。
シュンがガード──自分は先陣を切って……、中衛はナビとレイとリン、殿をバルにて一気に議場を突っ切っていた。
中央へ着いた時点で辺り一面、シャドウとシャドウ化が進んだ白拍子達で溢れていて、突っ切るしか道は無かった。
ナビに誘導して貰いつつ、最短──いや、例の以前女王から密かに何かあった際に使うように教えられた浮遊エリアへの移動ポータルへと突き進んでいた。
「ッ──!」
『させない──!』
シュンの光のガードも得意とはいえ、許容量はある。
それを越えそうな時は更に魔力を込めて防御を暑くしてるが尋常じゃない負荷が掛かっているのは目に見えていた。
少しは自分の魔力……いや、ナビのも皆との繋がりから分け与えているのだが、それ以上に消費が激しい事態に陥っていた。
今も皆を守ったシュンへと攻撃したシャドウを蹴散らしては奥に居る白拍子達を一掃しては更に通路の奥へと進んでいた。
「シエル様──!! あの隠し扉の先です──!! シロの気配もします!」
突き進んだ先──最後の隠し扉……シロの魔力を纏って感じる気配がする場所へと雪崩れ込むように入り込むと、自分達を追っていたシャドウ達がシロの結界に阻まれては弾き返されていた。
「助かった……の──?」
「────ううん」
「そうですね、急いだ方が良いかと……」
リンの言葉にレイが少し魔力を探っては首を横に振り、ナビが先を急がせるように言葉をしたと同時に──シロの魔力の気配が一瞬揺らぐ。
『シロ──長く持たないのかも知れない、急ごう』
自分の言葉に皆が頷いて、隠し扉の奥へと急いで進むとまだ生きている転送のワープポイントがあった。
そこに皆で乗り込んで自分とナビの白銀の力を流し込むと──白銀の力に反応してか魔力ポータルが活性化して自分達の目の前の意識は一瞬真っ白になる、そして再度──周囲の景色が戻ってきた時は浮遊エリアの皇室の1つなのだろう場所へと辿り着いたのだった。




