異変①
『えっ──? マリが見当たらない?』
お昼になってからのリンからの連絡だった。
朝早くに何かに急かされるように寮から出ていってから、それっきり連絡も学園にも来ていないとの事だった。
マリの性格からして、連絡も無いのも──ましてや無断で学園を休むというのもあり得ない事だった。
「なんだか、朝のマリは──慌ててるようだった」
隣からレイが自分を見て答えてくる。
「少し──気配を探ってみますね……」
そう言ってナビが僕たちの繋がりを──パスを辿ろうとするのだが……。
「これはどこかで──断たれてますね……」
っと、先程より一層深刻そうな顔で呟いていた。
────。
確かに、繋がりが一切感じられない……。
途中でまるで切られているような……
切られている──?
違和感を感じて、自分からパスの方向性と途切れた箇所を意識して探ってみる。
『中央の方に向かっている……?』
違和感を口にしてみると、それが現実味を帯びてくるような感じがした。
そのタイミングでシュンとバルも午前の講義を終えたのか自分達に合流して来て、先程の経緯を改めて話すのだった。




