表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

297/371

チョコレート⑦

ここは──。

『病院……?』

「はい、私と最初に目覚めて一緒だった場所です」

ヒューズ様には許可を得ております。

そう言いながら、ナビは自分の手を繋ぎながら歩き続ける。


「ここで私とシエル様は──」

懐かしそうに目を細めてナビは病室の一室を見ていた。


『そうだね──』

自分も同じ表情になっているのだろう。

目覚めから、ナビとの邂逅を今でも思い出せる。


「シエル様、今日は星が特に綺麗で魔素……魔力の層の煌めきが特に綺麗だと伺っています──一緒に見ませんか?」

『喜んで──』

ナビの手を取って歩き始める。

その足取りはヒューズさんのおすすめの絶景スポットへと続いていた。


「さぁ、こちら──です!!」

『────!!』

────!!

案内したナビもその光景に見惚れていた。

自分もその光景──星々の輝きが世界を包み、その輝きを魔素の層が更に照り返して、世界が輝きとそれを受けて更に綺麗に彩られたナビを見て言葉を失ってしまっていた。


「シエルさ──ま──」

『ナビ──』

ナビも自分見て同じように思ったのだろう。

ナビの想いが大きすぎたのか、いや──自分の気持ちも大きすぎたのか久しぶりにお互いの感情が双方に分かってしまう。


『「────」』

世界が輝きの中で止まったようだったった。

ナビの透き通る白い肌──白い髪──上気した頬。

いや、ナビの感情も同じように感じてるようだ。

その全てが世界と相成って綺麗で美しくて──愛おしい。


(『「大好き──」』)


────!!

はっ! っと、お互いになるが後の祭りだった。

ナビは今ままで見たことが無い程に慌てていて──。

本当に最初の頃の感情が乏しい感じだった頃など微塵も感じなくて──。

自分の感情も取り留めの無い感情に支配されていて──。


お互いにまた目を合わせると言葉を失ってしまって──。

どちらからともなく、僕たちは抱き締め合っていた。


「シエル──さま……」

『うん』

「これ……私──レイちゃんとだけれども、作ったの……です」

そっと、落ち着いて来て──軽く抱き締めあうのを解放しあったタイミングでナビが目の前にチョコレートを出して手渡してくる。


「私、感情というのが未だに──計れないのですけれど……この気持ちはきっとシエル様を、私は──」

お慕いしております──。

そう、顔を真っ赤にナビは自分を見てくる。


『ナビ──』

そっと、チョコレートを大切に受け取って──。

それを持ちながら、再度どちらからともなく抱き締める。

そのまま2人で輝く世界の中でお互いの感情を重ねたのだった。


「シエル様──今日はあの病室……1日借りてるのです」

『えっ?』

今日は久しぶりに二人っきりで居ませんか──?

ちゃんと皆には話は通してありますので……。

顔を真っ赤にナビからのお誘いに自分には断る理由などは無くて──。


『うん、久しぶりに2人で居ようか』

「はい──!」

自分の返事にナビは心から嬉しそうに応えて、もう暫く星の輝きを見てから、あの頃の病室に戻るのだった。


ただ──最初の頃の僕をここの人達は皆知ってるわけで……。

手を繋いで歩いていた僕たちをヒューズさんはどこかしたり顔で見てきたり。

元から僕とナビの距離感を近く感じていた人達はどこか納得した感じで僕たちを祝福するように見てきていたのだった。


そして、本当に久しぶりにナビと今までの事やこれからの事を話し合いながら──。

二人っきりの時を大切に大事に過ごしていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ