巨大シャドウ⑦
「わた──し……の解放──を……」
もう、持た──な──い……
最後は言葉ではなく思念として伝わってくる。
『ナビ──レイ……』
自分が最後まで語るまでもなく2人は頷いてくれて、攻撃の姿勢を見せてくれていた。
『ありがとう──』
そして、改めて巨大シャドウを見やると抑え込むのが限界に達したのか鮮烈な攻撃が自分達へと襲い掛かってくる。
「させません──!!」
「させない──!」
ナビが白銀の力を用いていくつのも白銀の力を流星の如く展開しては叩き付ける。
レイはそんなナビを護るように精霊の力を借りて結界を展開していた。
自分は──
『はぁぁぁ──!!』
ナビの流星では無いが巨大シャドウから放たれた闇の触手の如く伸びてくる攻撃を精霊剣に白銀の力を纏わせては斬り捌いていく。
そのまま──撫で斬りに斬りつけると斬った表面から闇の力が噴き出しては白銀の力で浄化されているようだった。
「────!!」
巨大シャドウの声にならない咆哮が生まれるが構うことなく剣を振るっていく。
ナビとレイもお互いにコンビネーションを巧みに巨大シャドウの攻撃を捌いては自分の攻撃の道筋を作ってくれる。
『これで──!』
終わりだ──!!
何度も攻防を重ねていく内に巨大シャドウはどんどん小さく──その闇を払っては浄化していっていた。
そして、最後に斬りつけて闇の力を払った先は人型の精霊が出てきては──そのまま地面へと倒れる。
「精霊──?」
「────!!」
レイが疑問の声をあげる中、ある程度予測がついていたナビが駆け出して名もなき精霊を支えるが──。
「────」
ナビは少し悲しそうな表情を浮かべながらも首を左右に振るのだった。
「ありが──とう、ござ……います……」
もう消える定めなのだろう、人型というだけで精霊の格としては異例だろう。
このヒノモトの国の文献を漁っても都市伝説として語り継がれる存在だ。
そんな女性型の精霊が今、端々から粒子となって消えていく中で自分へと必死に何かを伝えようと話し掛けて来ていた。




