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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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巨大シャドウ⑤

巨大シャドウの方面は進んで行けばすぐに分かった。


ソレの存在はすぐに見えてきたからだった。


「何あれ──?!」

「あれが噂に聞く──」

「親父が遭遇した巨大シャドウもこんなだったのか──?」


「バル──しっかりしろ!」


リンとマリ──そして、動揺を隠せないバルが居たがシュンがバルの動揺を声を掛けて解いていた。


だけれども、気持ちは分からなくはなかった。

並走していた自分も巨大シャドウの姿を見た時に変な感覚はあったからだ。


ふと、視線を感じるとナビとレイが自分を見てきていた。


「シエル──なんだか、変な感じがする」

「シエル様、あれは異様です」

レイとナビ──両者からも違和感を感じると伝えられる。


自分でもソレの正体が分からないままも突き進む。


次第にシャドウの数も多くなっていくが、一部切り開かれていた箇所が見受けられて──そこを軸にして突き進むと撤退部隊が見えて来ていた。


「「兄貴! 左右は任せて下さい!!」」

「私は後ろを──!」

「おい、お前ら──! 無理をするな!」

イアンさんの元部下3人組と──イアンさんが見えて来ていた。


イアンさんは駆けつけるのに無理をしたのか少しだけ傷付いているようにも見えたが──イアンさんが守るようにしている3人の方が怪我の具合が大きいのは目視でも見受けられた。


「お兄ちゃん──!」

「リン?! そうなると──シエルか!」


兄の様子に心配が爆発したのだろう、目の前にシャドウが居たがリンは風のように掛けては目の前のシャドウを蹴散らしつつイアンさんと合流していた。

イアンさんはリンの登場に驚きつつも自分を見てどこか安心したような表情を浮かべていた。


「今すぐ治療します──!」

「私も微力ながら──」

イアンさんの下へと駆けつけて早々ナビが回復魔法を唱える横でマリも同じく回復の魔法を唱える。


ただ、治癒能力の活性化を促す水系統を織り混ぜているナビの効果は目を見張るものがあった。


「すまない──けれども、俺たちは多少でいい。それよりも向こうを頼む」

回復が軽く済んだイアンさんから言葉が漏れては視線で少しだけ奥を指し示す。


それにならって視線の先を見てみれば、上手く隠蔽は出来ているが隠れているボンさん、フィンさん、シンさん──そして、ボンさんに付き従うセーレさんが居たが、セーレさんが一番怪我を追っていた。


「どうしたの──!?」

いつも反応がどちらかというと薄いレイが大きく驚きつつも精霊を頼りにセーレさんへ回復をかけ始める。


「私を守ろうとしたのだ──」

視線の先にはセーレさんよりはマシだがボロボロの……ボンが居た。


「俺たちが居ながら申し訳ない──」

「そうだね、これは僕の落ち度でもある」

その横には同じくボロボロのシンさんやフィンさんが居た。


『一体何があったのですか?』

僕がそう尋ねると比較的まだ怪我が浅いフィンが応えてくれた。


「最初は違和感だったんだ──」

そう、最初は違和感だったらしい。

シャドウが多いのは聞いていたが明らかに周りから聞いてる量とは違うと。

そして、何か威圧的なものを感じ取っていたと──。


「そして、あいつが現れたんだ──」

シンがフィンに続いて話してくれた。

急に闇が集まったかのように思えたら姿を形成して巨大シャドウが現れたように見えたと。

そして、現れたと同時に処理が追い付かなくなり──ボンへの凶刃をセーレさんが身をていして守った所から連携が瓦解したと。


「そこへ、一番最初にイアン殿が──」

ボンが息を絶え絶えに伝えてくる。

セーレさんの様子見はナビとレイの回復の効果が峠を越えたのか明るくなってきていた。


「お兄ちゃん──!!」

リンの声で戦況へと視線を向けるとイアンが両刀にて敵を屠っていたが──部下3人のサポート以上の攻撃が相手がし始めており押し返されていた。


『マリ、リン──援護を!』

「はいっ!」

「うんっ!」


「シエル! 俺たちは!」

『バルとシュンはこの場の守りを──!』

「分かった! シエル、気をつけて──!」


バルとシュンに頷きつつ、一気にイアンさんの下へと駆け出す。


「っ──! シエルか! 助かる──!!」

『イアンさんも少しだけ下がっ──』

「大丈夫だ──! それよりもシエル──」


アイツをどうにか出来ると思うか──?


そう、イアンさんが言葉を紡ぐ。

その視線の先には例の巨大シャドウがこちらを睥睨して見ているのだった。

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