地下研究施設跡②
「入り口が1つしかないですね──」
マリさんの言葉通り、幾つかあった入り口は先の戦いでの余波で崩落していたり封鎖されていた。
唯一行き来出来そうな箇所は1つしかなかった。
「行きましょう──」
声を潜めつつ、私達は敵と接触しないように注意をしながら進む。
「ねぇ、あの扉──承認が必要なのかな?」
「そうみたいだな」
リンさんとシュンさんの言う通り突き進んだ先には大扉があって横には認証する為の台があった。
(今、人気が少なくなっている──)
丁度お昼時なのも幸運だったのかも知れない。
休憩時間帯なのか人が払われている状況だった。
「行きましょう──」
先導して認証台まで辿り着く。
「どうするの──?」
レイちゃんの言葉に頷きつつ、認証する為のパネルに手を伸ばして触れる。
(こういう手合いは得意です──)
ハッキングを仕掛けては軽く認証させる。
ピィー──。
っと、軽い認証音が鳴ると大扉が横に開いていく。
(人は居ない──)
周囲の魔力を感じ取って人の気配を探ったが大丈夫のようだ。
「このまま潜入します──」
私の言葉に皆が頷いてくれて本格的に地下研究施設跡へと入っていく。
最後尾のシンさんとフィンさんが入ったら、それに合わせて大扉も閉じていく。
完全に閉じきったら自動発光するように設定されていたのだろうか?
地下研究施設を朧気にでも把握出来るくらいに微弱な光が廊下や周囲に照らされ始めるのだった。




