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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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コロシアム43

「次の試合は──同じリンクス同士になります! 強いですね!! 流石の新組織と言ったところか! 噂通りの一流の中の一流が揃ってると言われています!」


では──!


先にイアンさんが実況の女の子からアナウンスがあり登場する。

今までの闘いでは武器は出してきていなかったのだが、登場時点で既に2刀の剣を出していた。


「次は皆様お待ちかね──! シエル様です!!」


キャァァ──!!

っと、黄色い声援が少し強いだろうか。

それに応えるように手を振りながら入場する。


イアンさんと向き合って自分も精霊剣を取り出す。


「シエル──」

『はい?』

「言い忘れていたが、俺はまだリンの事は認めていないからな?」

『──え?』

対面するイアンさんか想定外の言葉を頂く。

確かにリンとの関係は──。

その好意も最近というよりは以前から気付き始めていた。

いつかなるようになると思っていたけれども──目の前のお兄さんは当たり前だろう、そういうのはお許しすら与えて貰っていな……。


いや──。


『今ここで、ですか?!』

「あぁ、こういう絶好の場だからだ! 俺より強いやつじゃないと俺は認めない!!」

『──ッ!』


本気だ──。

イアンさんから威圧がたっぷりと届いてくる。


イアンさんが構えると同じく自分も精霊剣を構える。


それを合図と受け取ったのか──。


「それでは! ──試合開始です!」

実況の女の子の声が会場に響き渡る。


「俺に実力を見せてみろ──!!」

そう言ってイアンさんが自分に向かって一気に駆け寄って来るのだった。


 *


イアンさんの初撃はなんとか受け流した。

一気に首もとに迫る一振を首を引くことで避けて──そこに迫るもう一振の本命を精霊剣で受け流す。


「やはり、この速度に付いてくるか──!!」

どこか喜色を見せた声だけが耳に入ってくる。

姿は動体視力で追える速度は越えていた。


イアンさんの魔力を──存在を意識する。

そして、人には攻撃の瞬間には少なからず意識が混じる。

それで刃の剣筋を読みきる──!


キィィ──ン!!

と、耳元で剣戟にて発生した音がなる。


そのまま意識通りに身体を受け流しながらもう一振を避けきる。


「この速度に付いてこれるのか!」

イアンさんの驚きの声と表情が見える。


立ち止まった──!

それはチャンスだ。

今度はこちらから動き出す──。

速度は出すことも出来るが、それ以外の要素、技量で仕掛ける!


人が普段無意識に感じているソレに合わせるように身体を動かす。

それは空気の流れだったり、雨粒の落ちる速度だったり──それに混じるように、元の場所には自分の存在を残すようなイメージで──。


ハッキングして得た全ての技量を総動員するように身体をそれらに合わせるようにイアンさんに──!


「──ッ!?」


キィィ─ン!

イアンさんが自分の背後からの一撃を防ぐ。


「いつの間に!!」

『こういうのも出来ます──!』


「また──!」

もう一度同じく背後に移って背後から一撃を加えたのだが何とかイアンさんは受けきる。


死線を潜り抜けて来た野生の勘だろうか。

それで何とか対処しているように見えた。


「シエル──お前、どこでそんな技術を……」

イアンさんが驚くのは無理はない、これはどちらかというとリキア──暗殺者寄りの技術だ。

ある意味、失伝している技とも言えた。


『行きますよ──!!』

「ッ!」


溶け合う感覚が完全にシンクロする。

息をするように身体を溶け込ませて移動してはイアンさんに攻撃を仕掛けて行く。


「くそっ! なら──!」

速さでものを言わせようとしたのか一気に加速して攻撃を加えて来るが──それは残像だ。


冷静さを失っては本当の姿は追えない。


『イアンさん──これで終わりです!!』

「ふっ──」


イアンさんの最高速からの一撃だったのだろう。

それをスルリと空気の流れと同化するように受け流して──イアンさんの一撃を難なくかわすと、そのまま精霊剣を一閃させる。


最後に見たイアンさんの表情はどこか誇らしいような表情になっていた。


そのまま自分の一撃を受けて、イアンさんはパタッと倒れる。


「な、なんと! シエル様の勝利です!! 最後の方は私もスロー再生された動画を見ないと分からないくらいです! 凄い! 凄いです──!!」

「「「わぁぁぁぁ──!!」」」

一際大きく歓声が上がる。


僕は倒れたイアンさんを肩を貸しながら起こす。


「あぁ、これはやられちゃったな──。ははっ、リンの見る目は確かだな」

そう言って悔しさと満足さが入り交じった表情をイアンさんはする。


『えっと──た、大切にします』

「当たり前だろ?」

ギロッと目がこちらに合わせられる。


ははは──。

リンへの直接なアプローチより先にイアンさんに許可を貰うなんてな。


ちょっと複雑な心境になりつつも一緒に控え室に戻るのだった。


背後ではアナウンスが続いていて夜にて最後の闘い──リキアとの戦闘の案内を実況の女の子はしているのだった。


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