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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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コロシアム41

「ここまでなんと! 学生でもあるシエル様が勝ち抜いて来ました! いえ! 英雄とも云われてるシエル様ですから──! 私はその勝利を疑ってもいません……!」


「「頑張ってぇぇ──!!」」

「「今回も熱いのを期待してるぞ──!!」」

観客の声援も比率的にはやっと男女……イーブンになってきたのだろうか?


そんなことを思っていると真正面から相手選手が現れる。


「シエル様の対戦相手ですが、歴代のコロシアムの中でも実力は折り紙付きと云われてる選手です。過去にも何度かチャンピオンに輝いた事もあります……!」


巨大な大剣を携えた選手だった。

紹介と共にその大剣を頭上に掲げていた。

「「おおおお──!!」」

彼のファンだろうか歓声が一際大きくなる。


「実力はもう見ているよ、本気で挑ませて貰う」

がっしりとした肉体、鍛え抜かれた身体──精神も大きなものだと見受た。

自分の目をしっかりと見据えて挨拶をしてくる。


『こちらこそ──宜しくお願い致します』

うむ──。

と、相手選手は頷いてくる。

自分も精霊剣を手元に出す。


「綺麗なものだな──」

『ありがとうございます』

相手選手も頭上に掲げていた大剣を目の前に構える。


「それでは──両者の準備が整ったと思います──!! 試合開始です!」

実況の女の子の声が響き渡る。


スッ──と相手が大剣を構えながら動かない。

いや、正確には自分も動けないでいる。

身体や剣の重心をずらしただけで動きを予測してか僅かながらお互いに動いているのは分かる。


(なら……)

自分の目と身体と精霊剣の軌道を僅かに動かしてフェイトを入れつつ自分から相手に攻撃を仕掛けていく。


多様なフェイントを織り込んだからか、相手はニヤリと面白そうに口角を上げつつ、自分の攻撃にしっかりと合わせてくる。


(捌ききれないはず──!)

一合一合剣を打ち合わせつつ、相手の動きや速さを観察するが──全く意に介さないように合わせてくる。


更に向こうからもフェイントを交えて攻撃をカウンターを入れてきてもいた。

一旦大きく打ち合って反動でお互いに距離を開ける。


『大剣──そんなに速く扱えるなんて思いませんでした』

「ありがとう、速いだけじゃないぞ」

『ええ、斬り結んで分かっています』

そう、速いだけじゃない──しっかりと大剣の特性の重さも伝わって来てるのだ。

熟練の努力の果てに辿り着いた技量とタフネスさがどちらも感じ取れるのだ。


『重さでは敵わないと思います』

「ふむ。ではどうする?」

『こうします──!』

精霊剣を2刀にする。

二刀流だ。


「付け焼き刃なら私には敵わないぞ?」

『試してみます?』

「面白い──!」

ニヤリとまた面白そうに笑う相手選手にもう一度攻撃をこちらから仕掛ける。


今度は小手先の誤魔化しやフェイントなどは入れずにシンプルに技量で攻めていく。


「くっ──!」

『ここ!』

重い一撃なら2刀でしっかりと受けとけつつ受け流しては小さくても一撃を──受け流せるのなら一方で受け流してはもう一方で攻撃を。

ただただ正確にミスが無いように一手一手先を見据えて攻めていく。


「ッ──!!」

『──!』

蓄積されたダメージが出たのか、よろけた所を一気に狙っていく。


「待っていた──!」

『僕もです──!』

それに合わせて相手はカウンターを入れてくるが、今の自分は二刀流だ。

一刀を全力で身体の重心も加えて受け流して相手の懐に入る──そのままもう一方で相手の心臓部をひと突き入れる。


「流石だな──」

『あなたも強かったです』

自分の声に嬉しそうに笑っては一気に体力を失われたであろう相手選手が倒れる。


結界によって死ぬことはないが──想定されたダメージ量は一撃だろう。

相手選手は満足そうに意識を消失するのだった。


「シエル様の勝利です──!!」

「「きゃぁぁ──!!」」

「「おおおお──!!」」

実況の女の子のテンションに劣らない位に会場の興奮が凄いことになっている。


自分が手を振るとその歓声は更に大きくなるのだった。

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