265/371
コロシアム37
「イアン選手の勝利です──!」
実況の女の子の声が聴こえてくる。
歓声が止んでるのは結果が圧倒的だったからだ。
ギルドからの出場者だったのもあってかイアンさんが本気を一瞬垣間見せて倒したのだった。
対戦相手は何が起こったのか分からなかったのか──咄嗟に振り抜いた剣を手から落としては倒れていた。
『凄いな──』
自然と一人言が零れてしまった。
とりあえず、行かないと──そう思い至っては自分も控え室を後にするのだった。
「少しやり過ぎたかも知れないな」
『ははは──』
笑って誤魔化す事しか出来なかった。
シェルお前も頑張れよ──そう言われつつイアンさんからの声援を受けて、自分も会場前で待機するのだった。




