コロシアム32
「改めて確認するぞ──?」
控え室戻ったイアンさんは自分へと話を振ってくる。
それに自分は頷いて応える。
「そうだな──」
そこからイアンさんと自分で改めて、今回のコロシアムに関して確認する。
出場者は自分とイアンさん含めて32名。
4つのグループに別れて、午前の部で2回戦闘を行い8名に絞られる。
そして、午後に2回行い2名まで絞り──そして夜に決勝を執り行う流れだ。
「シエルと俺はグループの別れ的にも当たるとしても午後だろうな──」
『はい』
イアンさんがトーナメント表の情報を可視化してお互いに確認する。
「シエル──しつこくなるかも知れないが……」
『えぇ、リッチさんの賭博エリアの管轄の派遣争いも絡んでるんですよね』
そうだ──とイアンさんは頷く。
これはただの式典の催しではない、れっきとして、その背景には裏賭博と管轄の派遣争いが巡っている。
ギィーの開催の際に言っていた、権力や武力──その全てはここに集約されてるとも過言ではなかった。
「あいつは……どうやらまた俺たちとは別のグループみたいだな」
イアンさんの指先を追うとリキアの名前がそこにはあった。
『他の出場者もなかなかですね──聞いたことがある名前もあります』
自分の台詞にイアンさんは頷く。
ギルド、軍からも出場している選手が居る。
そして、元々のコロシアムを生業にしている者もだ。
その中でも自分でも見聞きした事がある名前が散見しているのだった。
「シエル……お前の事だ。全力を尽くすんだと思うが無理はするなよ」
『イアンさんの方こそ──』
イアンさんはニッと安心させそうとしたのだろうか笑顔を軽く見せては立ち上がって身体をほぐし始めるのだった。
「それでは会場の準備も整いました! 皆様! 大変お待たせ致しました! それではコロシアムの第一戦目の案内をしたいと思います──!!」
そして、丁度良く会場の方の実況の声もこちらに届いてくるのだった。




