『広がる世界⑤』
出会いとは、偶然?
それとも、必然?
運命だったり、宿命だったり、忙しいのだ
「シエルくん、良い部屋が見つかったよ!いや・・、叔父様も太鼓判を押す、部屋だよ!」
ヒューズさんから、早速、部屋の間取りを見せて貰う。
(おや・・?)
『ヒューズさん、気のせいでは、無ければ、2人?相部屋のようですが・・』
”実は、そうなんだ”と、ヒューズさんは言葉続け・・。
(「むぅ・・」)
?!
・・・気のせいだ、ナビさんが、そんな急速に拗ねるなんて、・・ねぇ?
(ははは・・)
心を、一旦落ち着かせてから、ヒューズさんの言葉に、耳を傾ける。
「そう、相部屋なんだ。そして、相手は”親ギルド派”の、ムシュタル大将の、御子息が、入居されるらしい。・・確か名前は”シュンくん”だね」
”親ギルド派”新しいワードが、飛び出てきたな?
『ヒューズさん、すみません、”親ギルド派”とは?』
要約すると。
親ギルド派は、ギルドとの関係を憂いており、改善しようと動く者たち。
反する、”反ギルド派”は、ギルドとの袂を分かち、ギルドへの対応も、強硬する面もある方たちとの事。
相互のバランスは、拮抗しているように見えて、親ギルド派は、なかなか表立って動けない空気も出ており、パワーバランスは押されている、という事だった。
「でも、懸念も、1つあるんだ」
(懸念・・?)
話を聞いてみると、自分と、・・そうシュウくんと、同じ時期に、対抗馬の反ギルド派の”ハンネス大将”の、御子息の”バルくん”も、入学なさるという事だった。
叔父様も、そこを、懸念なされていたと、ヒューズさんは零していた。
その他にも、気になる点は、ガイウス叔父さんにはあったみたいだが、それは、ヒューズさんにも教えてはくれなかったようだ。
(「シエル様・・今更なのですが・・シエル様から見たら、正確には”大おじ様”が、正しいとナビは・・」)
・・・ふむ、確かにと納得。
純粋なのだよ・・、とセルフ突っ込みを入れつつ、同居することになる”シュンくん”に、想いを早くも、馳せるのだった。
そして、出会いは紡がれていく
そして、出会いは新しい風を予感させるのだった
それは、良い風か
それは、悪い風か
決めるのは受け取り手のシエル次第




