コロシアム20
「シエルくん? 手を繋いだりはしなくて大丈夫なの?」
『えっと……それは──』
「心配ありませんよ」
リンの疑問に僕の返答より先にナビが応えて、そしてそれに合わせてナビから皆を囲むように白銀の燐光が繋がっていく。
「手を繋ぐのはイメージの補強に近かったのもあったので……」
(「それに……余りシエル様には触れさせたく──」)
一瞬だったがナビと自分との特別なパスの繋がりが強くなったからなのか、ナビの想いが聴こえた気がしたが……、ナビを見てみると向こうもそれに気付いたのか少しだけ自分と目が合うと伏し目がちになったので自分もそれ以上は考えないように努めるのだった。
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ブリッケンさんの工房内は今は中心部にかけては物はどかされている状態でそこを囲むように自分達が輪を作っている状態だ。
『もしかしたら、とても長い間お願いすることになるかもしれない。 皆大丈夫かな?』
長くなるような懸念はいくらでも想像できた。
目的は自分の武器なのだけれども、それまでの過程や願いは皆バラバラになるだろう。
それを叶えて貰うというのだ。
きっと長くなるであろう事は容易に想像できた。
「はっ! 俺からしたら慣れたことだ!」
「うん、大丈夫」
「シエル様、私もいつでも大丈夫です」
ブリッケンさんは大きく頷き、反対にレイは小さく頷きつつもその目には大きな意思を宿して、ナビは普段通りだけれども……どこかやる気は漲っているのが感じられて──そして、他の皆の意思を確認していくように白銀の燐光も更に強く輝くように僕たちの繋がりを現すように強くなって行くのだった。




