コロシアム19
「ブリッケン様、どうぞこちらに」
「お、おぅ!」
ナビに呼ばれてブリッケンさんも皆の輪に加わる。
今、僕たちはヘルメスの時のように皆で輪を作るように並んでいた。
「──それでシエル坊? この後はどうすれば良いんだ?」
『えっと──』
ブリッケンさんの声に応えるように僕は皆を見回す、そして皆も自然と自分を見つめていた。
「シエル様? シエル様の望むままで……、ナビは良いと思います」
ナビがその様子を見て助言をしてくれる。
『そうだね、ごめん。これは何ていえば良いんだろう……、願いを形にする? 精霊が力を貸してくれる? といえば良いのかな──』
まだしっかりと自分の中でも確定しきれていない……でも、おおよそ検討がついている予想を皆に話す。
「はっはっは! なに? そうなると願いや想いに応じて精霊がそれを叶えてくれるというのか?」
どこか自分の話を愉しそうに聞いていたブリッケンさんがどこか挑戦的にも、いや……これから起こる出来事に胸を踊らせてしまっているのか気持ちが押さえられないような様子で問い返してくる。
「我も上手くは…いえないが、きっとシエル殿の魔法には無限の可能性が秘められてると思うのだ」
「ほぅ…、シリウスよ、お前がそこまで言うなんてな」
シリウスから返ってきた言葉にブリッケンさんは不敵な笑みを浮かべるのだった。




