『コロシアム⑰』
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「確かに──シエル様の武器の素材ですか……」
「いや、だが今はシエルだが──俺からするとナビ様の武器の素材も分からなねぇんだ」
『それは確かに──盲点でした』
「だろ? いや、シエル坊とナビ様の武器の好きな形状とかは前回の木剣で掴んではいるんだ……」
あぁ──どうしたものか……と、ブリッケンさんの呟きが聞こえて来るのだった。
「シエル様……どうしましょう?」
『そうだね──』
ナビからも視線を投げ掛けられ周りも見てみるが──皆、案が出てこないのか複雑そうな顔になっているのだった。
「……無いのなら生み出せばよいのではないか?」
『えっ?』
ふと声が聞こえて来て、声の主を辿るとそこにはシリウスが居るのだった。
「ヘルメスと我の件──それに我たちの絆……それは願いを叶えたのだろう?」
「確かに! 僕とシエルの絆は僕たちが生み出したものだ!」
「うむ──シエル殿の力は願いを叶えるものに近いのだと我は思っておる。そして、それが魔法とも言われてる存在意義なのでは無いかとも最近は考えている」
『魔法……存在意義──』
シリウスから投げ掛けられた言葉の意味を考えてしまった自分が居た。
(確かに──)
思い返せば自分の……いや、周りの皆の魔法もそうだ。
それは常日頃、魔法とは何かを考えた自分の考えに確かに1つの答えが垣間見えそうになった瞬間でもあった。
「それは確かにシリウスの言う通りですね……、シエル様? 一考の余地はあると思います」
ナビからもシリウスの案に関しての勧めがあるのだった。
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