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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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『コロシアム⑯』

────

『これは───?』

「あぁ──こうやって奴らの目を誤魔化せるからな! その間に試作というか実験をしてみたんだ! どうだ?」

ブリッケンさんに言われつつ──魔力を通して見ると、幾重に見えるような魔力紋が装置の頭上に浮かび上がるのだった。


「ほう──これは成功だな! やはり刻みつつ……ずらして層を精密に入れるとこうなるか!」

「シエル坊……それにナビ様の魔力紋は特殊だからな! 魔力の通り易さや許容量……刻む深さもあるかも知れないが──やはり層をずらす事で……これならシエル坊とナビ様の魔力紋の幾重に発現するのにも応えられそうだな!」

嬉しそうにブリッケンさんが喜んでる最中──皆の視線は自分の手元に注がれるのだった。


「凄いな──これ……俺、初めて見るぞ」

「それに──マザーの知識の中だけれども白銀の力の……えっと、実験は中央に管理されていたような?」

「ハッハッハ! だから隠れてやっているんだ! リンの嬢ちゃん──こういうことだ!」

「ええっと……流石の私も分かったよ」

シュンの物珍しそうな視線や──ヘルメスのマザーとしての知識から中央からの禁忌指定の所業なのだろう困惑した声も聞こえる中、ブリッケンさんのいたずら小僧みたいな反応とリンの少しだけ引いたような反応があるのだった。

そんな光景を見ながら、シリウスはどこか呆れたような──諦めた遠い視線をしつつ頷いているのだった。


「だが、良かった──なるほど……なら、この仕様は使えるな」

「シエル様──そのまま」

『えっ?』

装置を起動しつつブリッケンさんが検証してる中でナビがこちらへと近づいて来て装置へと手をかざす──。


「もう少し──ブリッケンさん層の角度ですが……」

「なるほど──流石ナビ様だな……」

「すみません、シエル様……もう少しだけ──」

『……了解』

ナビも自分の事だからだろうか──久しぶりに真剣な目になりつつ……ブリッケンさんへ綿密な指摘や補足を加えるのだった。


「シエル様──ありがとうございます」

「シエル坊、助かった!」

『いえ──こちらこそ、ありがとうございます』

ハッハッハ! シエル坊と俺の中だからな! ──どこか……久しぶりに会ったのも影響してるのだろう。

凄く……凄く嬉しそうにブリッケンさんは言葉を返してくるのだった。


「そうだ──だが……」

だけれども、すぐに何かに気付いたのかブリッケンさんは表情を複雑に変えるのだった。


「ん? どうしたのだブリッケン?」

「いや──」

シリウスに突っ込まれて歯切れの悪くなったブリッケンが居るのだった。


「なんだ? 気になるでは無いか? 言ってみろ」

「あぁ──そうだな……」

そして、シリウスにもう一度押されたブリッケンさんは言葉を零すのだった。


「シエル坊にピッタリな武器の素材が分からねぇ──」

「「「ぁ──」」」

ブリッケンさんの言葉に皆がそれを今の今になって気付いたのか一瞬──確かにその場の時は止まるのだった。

coming soon

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