『コロシアム⑤』
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「それで具体的な流れはどうする?」
「イアンさんとシエルくんは別行動だからね──」
「誰がこちらの指揮を取るかか……」
シンの言葉にフィンは現状の状況を確認する。
そしてボンが最重要なワードを発現するのだった。
「指揮──ナビが良いと思う」
「私ですか?」
少しだけ空気がピリッとなりそうになる前にレイがナビを見て発言をするのだった。
「うん──ナビが適任」
「えっと──私に務まりますでしょうか?」
改めて、レイに推されてナビはピンと来ていないのか疑問の表情を浮かべて首をかしげるが──レイの提案には否定は無く……それが皆の同意の意思にも繋がっていたのだった。
「ま、そうなるよな」
「そうだね──ナビさんなら安心かな?」
「私もナビ様の為なら……!」
シンとフィンは納得顔で頷いてる中──ボンは少しだけ毛色が違う熱い視線をナビに向けて頷くのだった。
*
「後は大丈夫そうか? 何か疑問点があれば今聞くが──」
『いえ、今のところは大丈夫です』
自分の言葉に周りの皆も頷いて──この件に関しては終わりになる。
そして、皆と一緒に退室しようとしたところで──。
「シエル、すまない。 少しだけ残ってくれないか? コロシアムの件で話し合いたいことがある」
そう、イアンに呼び止められて自分だけ残って皆は退室していくのだった。
*
『コロシアムの件ですか?』
「いや──なんと言えばいいんだ……」
皆が出ていった代表室の室内でイアンと2人っきりになったところで話題を切り出すとイアンはどこか苦い顔をして言葉を濁すのだった。
「時間はまだ──今日はあるか?」
『えぇ──大丈夫です』
「そうか、少しだけ込み入った話しになる」
そして神妙な表情になったイアンは話を切り出し始めるのだった。
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