『賭博エリア㊱』
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「この内容に偽りは無いんだな?」
「内容は私は全ては存じ上げませんが信憑性は……確かだとお伝え致します」
「そうか……」
そして、読んだ内容を記憶の中で思い浮かべているのかイアンは暫く目を閉じているのだった。
『イアンさん──手紙の内容は聞いても大丈夫なのでしょうか?』
「ん? あぁ──そうだな。すまない、少し整理していた」
そして、イアンの口からは先程の自分たちの教えられた内容と──重ねて、自分たちが行動を起こしたから守って貰いたい事。
そして、明日の朝一にある事が正式に発表出来ることが書かれていたと教えてくれたのだった。
『ある事ですか……?』
「あぁ──、だがこれは話せない」
そう言ってイアンは周囲を見回す。
(えっと──これは……)
イアンの伝えたい事を把握して自分はノーラさん……マリの母親と密会の時にも用いた結界を周囲に展開させる。
「これは大丈夫なのか?」
自分たちをグルっと囲む結界を見てイアンはそう呟く。
『はい、きっとこれを突破出来る者は容易には居ないと思います』
自分の言葉を聞いて安心したような表情を浮かべたイアンはゆっくりと息を吐き出す。
「そっか、ならばシエルの言葉を信じよう──まずは無事にここまで辿り着いてよかった」
「そして初めましてヘルメス様」
「ここを選択したのは一番の正解だ。翌朝まで守りきれば何とかなる」
イアンはそう続けざまに言葉を発するのだった。
「お兄ちゃん──正解ってどういう事? それに翌朝までって……?」
「あぁ──そうだな。落ち着いて聞いてくれ……」
そして、イアンの手紙に書かれていた内容を詳細に教えてくれるのだった。
今、各エリアでは中央の者が慌てて何かを探すように動いているらしいとの事。
但しリンクス本部に限っては完全に軍ともギルド──そして中央からも独立してる組織の為、唯一の安全圏との事。
但し、近くにシエル達が居れば一番安心だという事。
「それで──翌朝までとはどういう事なのですか?」
「あぁ──長くなってしまって、すまない」
マリも気になっているのだろう。
話が落ち着き始めた所で話題を再度振る。
翌朝にはある事がリンクスから──いや、正式にはリンクスを通してリッチから発表があるという事だった。
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