『賭博エリア⑦』
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「俺の所より───大きいな……」
「それをいうと──俺の所は……すでに差し押さえられているが全然規模が違うな」
シュンとバルも遅れてやって来て、その規模に驚いていた。
「こちらに来られる皆さま──皆同じように驚いておりますね」
そう言いつつ──使用人への連絡を済ましたセーレさんが後ろから現れる。
「こうやって見ると本当にボンさんってお金持ちなんだねぇ──」
「こら──リン言い方……」
「そうですね──確かにそれも良く言われております」
リンの発言をマリが窘めるが──あまり気にしないで下さいとセーレさんが苦笑しつつ応えてくれる。
「同じ規模ですと──ギィー様の所も同じ規模だとエリア内を見ると……」
「ナビ──?」
不意に立ち止まって魔力ネットワークを漁ったのかナビが情報を補足する。
レイは一瞬立ち止まったナビに心配そうに声を掛けているのだった。
「そうですね──エリア内ですと真逆に位置する場所にありますね……」
少しだけ含みを持たせつつセーレさんがナビの言葉に返事を返す。
『何かあるのですか?』
「いえ──何かという訳では無いのですが……少々治安が怪しいといいますか……」
歯切れの悪くなったセーレさんがそこに居て、それがセーレさんが伝えたいことを如実に
表していた。
「──進まないか?」
「そうだね、行こう。時間も有限だからね」
一瞬だけ静かになった空気にバルが空気を読み話題を切り出す。
シュンもそれに継いで言葉を重ねて──その場の空気を変えるのだった。
「そうですね──案内致します……! えっと、こちらになります!」
セーレさんもその流れを汲み取って案内を再開するのだった。
そして、自分達はまずはボンの住居を訪れた最大の目的のヘルメスへと会いに向かうのだった。
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