『賭博エリア⑥』
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「これはまた──」
「大きいね──」
「確かにこれを預けられた意味が分かるな……」
ふと、賭博エリア内に入った時のマリとリンのやり取りが思い返される感じだったが──今回は継いでバルも発言していた。
『問題は入り口がどこになるかだな──』
バルの目線は自分の手元に落とされており──確かにそこには先日譲り受けた宝玉が収まっていた。
(けれども……)
そう──まさかの賭博エリア内の一角がボンの住居だとは思わなく……余りの大きさに自分も驚いているのだった。
「あっ──シエル様方ですね……!」
「こちらですよー!」
ふと、声が聞こえて来た方を見てみたら──遠くの方にてこちらに手を振ってくるセーレさんが見えてくるのだった。
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「偶然会えて良かったです──!」
「本当に助かりました」
「私としたことが──確かにこの規模になると入り口……分かりませんものね」
嬉しそうに話すセーレさんにシュンがお礼を伝えつつ……入口に関しての話題に触れた所、セーレさんは申し訳なさそうに反応を返してくるのだった。
「こちらで掲げて頂けましたら……」
『こうですか──?』
セーレさんに言われるがまま宝玉を胸の高さより上に掲げてみると──宝玉に反応するように入口の扉が独りでに動き出すのだった。
「セーレさん──お客さんですか?」
「あっ──はい! 一応、一同に繋いでおいて貰えますと助かります」
「畏まりました。使用人一同に繋いでおきましょう」
ペコリと綺麗に礼をして──入口から入った先に居た使用人の方は自分達から離れて行く。
「凄い──綺麗……」
「まごう事なき日本家屋ですね──」
先に進んでいたレイとナビの声が聞こえてくる。
入口から進んで──屋敷内に入ると目の前には開けた光景が映り込んで来て、そこには豪邸と形容出来る日本家屋が広がっているのだった。
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