『賭博エリア④』
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「シエル様──シエル様……」
ベッドの上で揺すられてる感覚がある。
覚醒してきている中で瞼越しに朝なのだろう──光を感じる。
(そっか──今日は休日だけれども……)
学生寮エリアへと帰宅して皆と別れて休んでから、学校の方もバタバタとしており──本日やっと休日の日が来た感じだった。
「シエル──?」
ペタペタと頬を触られてる感覚も重ねてやって来る。
これはレイの手だろう──少しヒンヤリとしていて心地良さも感じる。
(とりあえず──起きないとだよな……)
覚醒した頭で本日の動きを確認する。
やっと自由に動ける休日で──この日を機会に賭博エリアの方へ赴こうと皆で話していたのだった。
ムニムニ──ムニムニ……。
(起きづらい……)
いつしかレイに触発されたのかナビも参加してきており──自分の頬とかを思い思いのままに触って来ているのだった。
*
「シエル──? 準備出来てるか?」
助け舟なのか、それからも触られ続けてる中でバルの声が扉越しから聞こえてくる。
『う、うーん……』
それに合わせて起きるように目を開ける。
レイとナビは示し合わせたようにムニムニを止めてすまし顔で「おはよう」を伝えて来るのだった。
『ごめん──これから……!』
「そっか、分かった。シュンの方も仕度中らしい──向こうで待ってる、また来る」
そして扉からバルの気配が遠ざかって行くのを感じつつベッドから抜け出すのだった。
*
「シエルくーん?」
「シエルくん、起きてますかー?」
その後にリンとマリの声が扉越しに聞こえてくる。
「私──開けてくる」
パタパタと小走りにレイは扉を開けに行って、そしてリンとマリが部屋に入って来るのだった。
「珍しくシエルくんがしっかり準備出来てる……」
『そんなに自分って毎回準備出来ていない印象あるのかな?』
「……えっと、うん──」
リンの問い掛けに応えつつ、その返事にマリは少しだけ困ったような反応をするのだった。
「ん? どうした?」
「ごめん──待たせたか?」
そんな微妙な空気になった時にバルとシュンが部屋に入って来る。
「ううん──何でもないよ」
バルの問い掛けにマリは空気を変えるように何事も無かったと答える。
「えっと──では行きましょうか?」
そして皆が揃ったタイミングでナビがここぞというタイミングで賭博エリアの方へと向かうのを切り出すのだった。
『そうだね、時間も問題ないし行こうか』
自分もナビの切り出しに答えて、それを皮切りに皆で賭博エリアの方へと向かうのだった。
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