『賭博エリア③』
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『自室から出てこない──?』
「あぁ──そうらしんだ」
「はい──事実になります」
黙り込んでしまった3人だったがボンが先陣を切って実は……と語り出す。
その反応が自分の発言だった。
それが事実だというようにイアン──そしてセーレさんが頷いて応えてくる。
「うん? そうなると賭博エリアの守りはどうなっているんだ?」
「シュンくん──そこは大丈夫みたいだ。自室に籠っていてもしっかりと防衛等はこなしているみたいでね」
シュンの疑問にすかさずボンが答えていた。
「それで──この宝玉の件に繋がると……」
「シエルくんに会いたがってるということ?」
「う、うむ──」
マリは自分の手元にある解除用の宝玉に目を向ける。
そしてリンは話の本題を確認するように──それをボンは心なしか申し訳なさそうに肯定するのだった。
*
「シエルは──その会っても無事なの?」
「えーっと……それはどういうことでしょうかレイさん?」
レイは話を聞きながら疑問を口にするが──皆どこかピンと来ておらず、確認するようにセーレさんがレイに聞き返す。
「精霊だから安心という訳では──」
「えっ──と……レイちゃん? どうして私を見てくるのですか?」
レイの視線はナビへと向いて、ナビは落ち着いてきたところ──再度慌て始めるのだった。
「「なるほど、ね」」
マリとリンがレイの視線と同じく──ナビを見て、どこか腑に落ちたように頷いていた。
「えーと、ですが……ヘルメスは男の子のはずですよ?」
女の勘なのか──何かを察したようなセーレさんは安心を謳うように発言をしたが、レイ含む3人には余り効果は無いようだった。
*
「──で、シエル? どうするんだ?」
暫し、沈黙が訪れたところにバルが自分へと問いかけて来る。
『行こうと思うよ。それにあの事件からちゃんと会う事も無かったから自分も気にはなるし──』
「──そっか、分かった」
自分の返事を聞いてバルは頷く。
「──まぁ、そういうことだ。シエル? 視察も兼ねてお願い出来ないか?」
『分かりました。──それにエリア内の事でしたらヘルメスほど網羅している子は居ないと思いますから』
「ありがとう──助かる」
最後にイアンに改めてお願いをされ──自分は了承の返事をすると安心したようにイアンはお礼を告げてくる。
そして、この日はこれでお開きになり──自分達も学生寮エリアへと帰宅するのだった。
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