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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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『リンクス⑩』

────

「レイ……ちゃん──こっちですよ!」

「ん──」

入浴施設についての一幕ひとまくだった。

ナビがレイへと声を掛けて、レイを自身へと手繰り寄せていた。


(ナビも変わっていってるんだな──)

当初の頃は”様”付けから始まって、少しずつ少しずつ────”様、くん、さん、ちゃん”と敬称けいしょうが変化していっていた。

それに伴ってナビ自身の情緒もどんどんと成長していっているのを感じていた。


「ナビちゃーん! レイちゃーん!」

「今なら良い感じにいているようですよ!」

後方射撃という訳では無いだろうけれども、後ろからもナビとレイを呼ぶ──リンとマリの声も聞こえて来ていた。


「では──シエル様!」

「──ん」

まだ甘えん坊な部分はあるのかジッと見てくるレイが居たので頭を撫でてあげると嬉しそうにしつつ自分から離れて行った。

そしてナビと共に女湯の方へと消えていったのだった。


「おーい──シエル―!」

「俺たちも早く行こう」

そんな自分にも後方からシュンとバルが声を掛けてくるのだった。


    *


「シエル──やっぱり中々仕上がって来てるよな?」

「どこまで鍛えるつもりなんだ?」

『え──? あー……いや』

最近だろうか? シュンとバルも自分を追い込むストイック体質な部分も影響しているからなのか、こうやって3人でお風呂に入る機会があればお互いの身体を鍛えてる状況を確認しあったりしている。


(最近……では無いな)

2人へ流石に夜の就寝時の苦悩を打ち明けるのはまだ早いというか──恥ずかしい部分もあり誤魔化している中、思考はいつ頃から2人が自分との身体の鍛え具合を確認しあうようになったのかを思い出す。


(そうだな───)

自分の身体がシャドウ事件以降も鍛え続けていて、自分自身も身体の付き方が変わって来たと自覚してきた頃からかも知れなかった。


「あれか? シエルは狙ってるのか?」

『え?』

バルから今まで話していた身体の筋肉の話から違った方向で話を掛けられて、思考が全く別の事を考えていた自分は素っ頓狂とんきょうな声を上げてしまっていた。


「それってバル──賭博エリアの話だよな?」

「あぁ──もう完全に改修工事は終わったからな……あながち噂は実現するかも知れない」

『えっと──ごめん。 完全にぼんやりしていた──その噂って、どんな話なんだ?』

「シュンは知ってそうだな? いや、改修工事の終了に合わせて──コロシアムの再開はするのだろうが……」

どこか歯切れの悪くなったバルがそこに居た。


「シエルも情報──たまにだろうけれども未だに漁ってるんだろう? 賭博エリアの管轄の話は聞いてないか?」

『あぁ──それは民衆派が管轄かんかつするとなっているやつか……』

「そこだ──シュンの聞いた通り賭博エリアの管轄の問題なんだ。民衆派は未だに大きく割れている」

『…………なるほど』

脳裏に中央での出来事が思い出される──リッチとギィーの姿だ。


「今回の賭博エリアのコロシアムの改修工事の終了──そしてコロシアムの再開……そして管轄の問題と来た」

「バルの言う通りだな──後は想像がシエルだったら付くだろう?」

『大きく揉めそうだな──』

「あ──そこもそうだけれども……悪い少し脱線したかも知れない。多分バルが聞きたかったのは──」

「シエルはコロシアムの再開の時の最初のコロシアムの参加を狙ってるんじゃないか──ってな」

バルは最後にそう締めくくっていた。


『いやいや? 自分が出るって──』

「いや──シエル……ファンクラブのサイト見て無いのか?」

『あー…………』

「いや、シュン──これは見て無いと思うぞ」

「そ、そっか──」

何となくだが、気恥ずかしいというか──”ガチ恋?”といわれてるのだろうか。

結構な熱量があって──こう……自然と目を遠ざけていた背景もあった。


(後は何と無しに──ファンサイトを見ているとナビとレイの機嫌が段々と斜めになっていくような印象があるんだよな……)

魂の部分が繋がっているからなのか──ふと意識するとナビとレイの感情が……多少ムスッとしている気持ちが伝わってくるのだ。


(そう今も何と無しに意識すると──)

そう意識したのがあやまちだったのか──ナビとレイの感情が伝わって来るのを感じる。


(「私も──精霊ですがマリさんみたいに大きく───」)

(「リン──普段分からないけれども──大きい──私ももう少し食べれるようになったら……」)


「おいっ? どうしたシエル?!」

「バル──多分、あれだファンサイトを見ちゃったんだと……」

「あぁ──」

2人の別の意味での視線が自分へと飛んで来るが──自分が突然立ち上がってしまったのは別の理由からであって……それを2人は知るよしは無いのだった。


(気を付けよう──多分気付かれては無いだろうけれども……、これは心臓に悪い)

予想以上にダイレクトにナビとレイの感情が伝わって来たのに動揺しつつも──シュンの「そろそろ上がらないか?」との言葉に甘えて、自分もバルもシュンと一緒にお風呂から上がる事にしたのだった。


    *


「なんだかこうやって皆で入浴施設に来たのは久しぶりな気がするねー!」

「普段は常に一緒という訳でも無いですからね」

皆と合流して入浴施設内にて火照ほてった身体を各々──瓶牛乳を飲みながらくつろいでいた。


(まともに見づらいな──)

自分もだが皆、着て来た服は1回収納して──各々部屋着だったり、入浴施設定番の館内着だったりを取り出して着ていたのだった。

そんな中で先程のナビとレイの情報もあって──自分の中でマリとリンを見るのに気恥ずかしさが生まれていたのだった。


「はい──もう少しでき終わりますからね」

「ん──終わったら私、ナビのやる……交代」

ナビとレイもはたから見たら姉妹のように見えるだろう位に寄り添いつつ──ナビがレイの髪をいて、レイは気持ちよさそうに目を細めているのだった。


「バル? 今日はこのまま来ないか?」

「ん? いいのか──?」

「シエル? まだ話すんだろう?」

『そうだな──今日の今日の話だし……もう少し皆で整理はしておきたいかな』

「シエルくんの部屋で話す感じになるのかなー?」

『いつも通り、自分の部屋で構わないよ』

「いつも──ありがとう」

最後にマリがお礼を自分に述べてくる。

同じ広さでシュンの部屋もあるのはあるのだけれども──自分の部屋は自身が自由に収納と取り出しが出来る背景から空間の確保的にもベストなのだった。


「ナビの髪──いつも綺麗」

「ふふふ──ありがとう」

まぁ──完全に自分の部屋という訳では無いけれども……部屋の使い方に関しては2人から自由にしても良いと一任いちにんされているのだった。


その後──もう少しだけくつろいだら自分の部屋へと皆で向かうのだった。

coming soon

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