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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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『リンクス②』

────

「シエル──様。シエル──さ……」

「シエル──。シエル──……」

揺れ動かされる感覚がある。

でも両側からの暖かい体温を感じて──気持ちよさで再度夢へと舵を漕ぎ始める気配も感じる。


「起きない──」

「そうですね……。 ──と、とりあえず仕度を始めましょう」

自分の傍から温もりが離れて行き──ゴソゴソと音が聞こえてくる。


(いつの間にか……眠りに落ちていたのか)

中々眠れなく──両側からの寝息を暫く聞いていた記憶が微かにぼんやりとした頭の中で思い浮かぶ。


(……起きづらいな)

暫くすると意識がハッキリとしてくるのも分かってきたが──それに伴って2人が着替えたりの準備をしているのも分かり、自分はその間もう少し眠る事にする。


    *


「おーい! シエルー?」

コンコン──と仕切られている扉からノックの音が聞こえてくる。


(シュンか……)

それに合わせて再度2人が近寄って来て起こしに来るのが気配で分かった。


「シエル様──! 起きないとですよ!」

「シエル──」

今度の揺すりは流石に意識もハッキリしていたので分かった。

流石に着替えた後なので身体的な接着は少なかったのがこうを成したのか──すんなりと目覚めたように起き上がる。


『おはよう──2人とも』

「シエル様──急がないとですよ!」

「シエル──手伝う」

そんな自分に対して2人は何故か──どこか嬉しそうにしつつ自分の支度を手伝い始める。

髪を嬉しそうにセットしてくれて──服も……。


『え、えっと──』

「大丈夫です──お任せ下さい!」

「……です」

自分でやるから──という言葉は言えなかった。

シュンの他にマリとリンも来るまでは2人の自分の準備の手伝いは続くのだった。


    *


「バルは学園寮のホームの方で待ってるみたいだな」

シュンから言葉を受け取る。

たまには自分の部屋の方まで来る時はあるけれども、距離的な事も含めて基本的には学院エリアへ向かう時はいつも学園寮の魔力車ホームにて待ち合わせして一緒に向かっていた。


「シエルくん、大丈夫ですか?」

「ほら! 早く行かないと余裕が無くなっちゃうよー? 今日は始業式に合わせて色々と連絡もあるみたいだし!」

マリとリンにも多少せかされつつ──最後に自分の立ち姿を姿見鏡で確認する。


(成長したな……)

ナビよりも頭1つ身長は伸びて、細かった腕も多少は筋肉は付いたのだろうか。

細くも太くも無く──ちょうど良い位の肉付きになっていて、髪色は相も変わらずな白銀色の自分が居た。


「似合ってますよシエル様」

「かっこいい──」

そんな自分に両サイドからナビとレイも覗き込んでくる。


『あはは……。ありがとう──じゃ、行こっか』

自分の返事に皆──頷いて応えつつ、まずはバルの待つ学園寮の魔力車ホームへと歩を進み始めるのだった。

coming soon

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