『美しい世界⑨』
人は──生きる
そして──歩く
その歩みさえ──美しい
かいつま──いや、やはり俺がまとめるのは難しいな。
(すまない、ナビ)
(「では、僭越ながら私が……!」)
*
この世界には、国が存続しております。
それらは世界に〝6つ〝発生したと言われる〝黒い渦〝の防衛も伴っています。
今現在も──この状況下を生き残る事、そして人類の繁栄の道を模索しています。
主要な国は
①ヒノモト
②ロイア
③リカニア
④イーリス
⑤チェニス
⑥オールスローン
となっています。
〝黒い渦〝は危険なものとして語り継がれております。
異形のもの〝モンスター〝を産み出す存在として予想されており、そして〝黒い渦〝は今現在も──魔力を垂れ流しております。
噂によると〝黒い渦〝の付近には〝龍〝に合間見える事があると”旧世界”の言葉でいうならば──都市伝説があります。
しかし〝龍と巡り会えば最期〝とも言われています。
なので、その情報は、定かでは無いかと。
現状──その龍に対抗する為に各国では〝結界〝を張っております。
結界──といいますが正確には〝干渉システム〝に近いものと考えられています。
なので”龍”などの”大型”には効果はあれど、中型、もしくは小型には効果が薄く防げないのが現状になっているみたいです。
そこで国は〝軍〝を各国保有し、それらが国を守る力になっているようです。
民間からは〝ギルド〝が──形態でいうならば、各国にも支部があり、それらは1つの母体として各国の支部をまとめて平和維持機構のようになっております。
シエル様のご両親はギルドに所属しており、高い位置に居たものと思われます。
ヒューズ様がおっしゃっられているのは──シエル様含めて〝白銀の龍〝に遭遇、及び戦闘になり、救援を要請した際に”不幸だったのか”その時の国間を移動していた便がギルド保有の便だったということでしょう。
そして、その乗組員がギルド職員により構成されており、軍の対応が渋られた事を不幸と言っているのだと思います。
魔力ネットワークにより情報を精査したところ、軍はギルドに良い印象が無く──双方に溝がある模様です。
原因は軍は国に働き、ギルドは民に働いており、民の親好が主にギルドに向き、軍が蔑ろにされている事──その状況さえも助長させる存在も少なからずおり、結果……両者の溝が深くなっていると思われます。
*
シエル様、話をまとめますと──。
国間を移動中……いえ、このヒノモトに帰りの最中。
〝黒い渦〝の付近を通った際に〝白銀の龍〝に遭遇──そして救援を出しましたが、軍はそれに二の足を踏み動きが遅れたこと。
そして──”それら”をまとめあげられなかった事をガイウス様は今現在も後悔しているのだと思います。
更に……ヒューズ様とシエル様のご両親は──ガイウス様に育てられた背景があるということでしょう。
(「シエル様──大丈夫でしょうか?」)
(ナビ、ありがとう)
どこか、いつもは嬉しそうに反応しては話している印象のあるナビが──こちらを心配するように話をまとめてくれた。
そっか……だが1つ、気になっている事もある。
髪色を窺っているような節があるのだ。
──そんなにおかしいのだろうか?この〝白銀〝の髪色が。
シエルの髪色は白銀だ
これの色の意味することを知るのは
きっと──シエルにもまだ先の事なのだろう
そして髪とは”生命が宿る”とも言われている




