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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─㉔』

そして物語は1つの締めへと歩みを始めていく──

(「シエ……様、シエ──ル様」)

(ん──)

少しだけ意識が飛んでいたようだった。

ナビの声が思念で伝わって来て目を開ける。


(「シエル様……良かった。そろそろ──着かれるようです」)

「各員に告げる──当車両は無事に中央へと辿り着いた」

「以降の行動にも変化は無し──各員行動を開始せよ」

そしてナビの声に追随するように車両内のアナウンスが聞こえてくる。


「お前達──さぁ、着いて来て貰おうか」

そして自分達を監視していた1人から声を掛けられて自分とナビ、ハンネスとマザーも連れられて中央へと移動を開始する。


(ん──ガイウスさん達か……)

それに遅れてガイウスさん達の搭乗しているであろう魔力車も中央エリアのホームへと入って来ていた。


(それにしても──)

中央エリアのホームから中央エリアの景観を見る。

全て白に統一されており、景観は白一色に染められていた。

色があるとしたら──木々や花々の色だけだろう。

そして何よりも特色があったのは……。


(高いな……浮遊してるのか)

顔を上に上げるとその全貌がしっかりと見えてくる。

そこには中央エリアの中枢の上の方にて浮かぶ独立したエリアが存在していた。

後宮こうきゅう的な扱いなのだろうか? より一層……絢爛けんらんたる全容に見えるが同じく白で統一されているため清廉せいれんさも兼ね備えて見えていた。


「おい──立ち止まるな」

見過ぎていたのだろうか──背後から声を掛けられて自分とナビは連行されていくハンネスとマザーの後を追いかけるように歩を進み始めたのだった。


    *


「ここで暫く待たれよ」

そのまま中央エリアの中枢の──真上には例の浮遊する後宮がある大きな建物へと自分達は歩かされて、その建物内の奥まった一室へと途中でハンネス達とは別れて案内されていた。


「全く──丁重に扱えと一言言わないと分からないのかしら……」

奥まった一室にて暫くナビと共に居るともう1つ……自分達が入って来た方とは違う奥側の扉が開いて妙齢の女性が入って来たのだった。


「ふぅ──ん、あなたがシエル……。それに──ナビさんね」

『あなたはいったい……』

ふと自分が疑問を投げ掛けた瞬間だった。

どこからか不意に斬撃が……。


「収めなさい──!」

「はっ」

「暫く、私とこの子達で話します。周囲の警戒を頼みます」

目の前の女性の言葉でその刃は収められ──目の前に現れていた白い狩衣の人物も音も無く周囲に消えて行く。


「驚かせて──は居なさそうね。もしかして気付いていたのかしら?」

『──すみませんが、気配だけは』

「そう──彼らの気配を感じ取れるとなると相当なものね」

「自己紹介は必要かしら?」

『すみません、出来ましたらお願い出来たら助かります』

「そうね──まぁ、その前に……」

カチャンと音が鳴り──彼女が触れた先から拘束具が外れていく。


「少し待っていてね──お茶の用意をしてくるわ」

「用意が出来たら呼ぶから少し待っていてね」

ナビの拘束具も似たように外して手早く翻ると、もと来た扉へとスイスイと移動をし──その先へと消えて行った。


    *


暫くすると……。

「用意が出来たわよー!」

「さぁ、いらっしゃい──色々と聞きたいところなの」

そう言って扉が開いて顔を覗かせて──先程の女性が手招きをしていた。


「さて──どこから話したらよいかしら……」

「そうね、まずは謝罪を」

「私の指示が抽象的だったのが悪かったわね──まさかこんな形で連れて来るとは思いもしなかったわ」

「まずはごめんなさいね」

『い、いえ──』

相手の女性はどこかおっとりと話している感じはするが、その身はハッキリと言葉を発しており力強さも兼ね備えていた。


「では──まずはご挨拶を……」

「ある程度は予想をしているのでしょうが私はそうね、マリの母親でもあり──」

「この国の中枢でもあり──このヒノモトのかなめでもある、ノーラと言います」

「ノーラ様──ヒノモトの第三代の女王ですね……」

「あら……良く学んでいるようで──でも名前までは公表はしていないはずだけれども──」

ナビの補足の声にノーラさんは目ざとく疑問点を口にしナビを見ていた。

「ある程度は──分かります」

「ある程度──ね。結構最重要機密のプロテクトが情報に掛けられてたような気がするのだけれども……」

『ははは──』

「あなたも同じ口のようね」

そして、その目は同じく自分にも向けられてくるのだった。


「まぁ、よいでしょう──」

「今回呼び出したのは幾つか理由があります」

「1つは今回の件の詳しい経緯を改めてあなた達の口から聞いてみたかったの。情報は全て抜かりなく上がって来るけれども、それでもきっとあなた達の全てには届かないと思うから」

「2つめはあなた達の力に関して──これは今私達……中央でも意見が複雑になっているの。そう──今回の件でそれを決めないといけない、あなた達の運命を」

「3つめはあの子の親として。マリが相当入れ込んでるみたいだから親として気になったの。あの子は何かに対して執着することも──ましてその人の事に関して固執するような性格があるなんて私の知らない面を見せて来たのだから」

1つ1つを丁寧に言葉を紡ぎながら目の前のノーラさんは自分達に投げ掛けて来ていた。


「まずはごめんなさいね──どうぞ、お飲みになって」

「別に変な物も入っていないし、安全は保障するわ」

そして、まずはと目の前のカップに注がれたお茶を差し出してくる。

それに合わせて周囲を確認すると、貴賓室きひんしつだったのか、様々な綺麗に奥ゆかしい調度品の数々が配置されており、洗練された室内を演出していた。


『……本当に人を払ってくれているようですね』

「えぇ──そのくらいはしっかりとするわ」

「──私たちの話も聞こえる距離には誰も居なさそうですが……」

そして、ナビの心遣いか周囲に音が漏れないようにバリアを張る。


「ノーラ様、大丈夫でしょうか?」

「そうね、普通なら危ない行為でしょうし。きっと私の護衛の者が来たら大変でしょうが──あなた達なら止めれもするでしょうし、大丈夫でしょう。それに話し合う内容も内容ですからね」

『ありがとうございます。ではそうですね──私達の知る範囲の今回の経緯から……』

「えぇ、お願い致します。それで私も今回の落としどころを探しましょう」

そして、このヒノモトの最高権力者のノーラさんとの話し合いが始まったのだった。

coming soon

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