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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─⑲』

中学編──最終戦へと……

「父様──!!」

「ハンネス──!」

ハンネスが周囲を睥睨へいげいしている中、バルとシュンがハンネスの下へと錯綜さくそうする。


「チッ──バルか! まだ私に立てつくというのか! それに貴様はシュンか──!」

「目障りだ!」

ハンネスの顔元へとバルの闇とシュンの光の魔法が叩きつけられる。

ダメージは少ないのかハンネスへの被弾の後は見受けられなかったがヘイトを買うのには充分な役割を果たしたようでハンネスは2人へと攻撃を集中させていく。


「シュン──合わせろ!」

「バルの方こそ──!」

時には光で弾き、時には闇で柔らかく受け止めつつ──剛柔ごうじゅうを併せ持ちながら2人はタイミングを見ては攻撃を重ねて行く。


「クルクルと鬱陶しい!!」

図体ずうたいが大きくなったことの弊害かハンネスは高速で動き回る2人を捉え切れない場面がいくつか見受けられていたが、痺れを切らしたのか巨大な赤黒い実剣を大きく横にいでいた。


「「ッ────!」」

流石に避け切れないと判断したのかシュンとバルは2人で力を合わせて防御壁を展開して受け止めたが──完全には受け止めきれるはずも無く防御壁ごと大きく後ろへと吹き飛ばされていた。


    *


「ちょこまかと──! だが──これで!」

「させねぇぞ!」

「シュン──!」

ハンネスの実剣が2人へと振り下ろされる手前──イアンとムシュタルさんが2人の下へと辿り着きハンネスの攻撃を弾き返していた。


「2人とも──! 無茶し過ぎだよ! 後退するよ!」

そして遅れてリンが2人の下へと辿り着き──自分の下へと2人を連れて戻って来る。


「暖かい──」

「これは学内対抗戦の時と同じ──?」

リンが連れて来た2人に自分とナビ、レイが発現している周囲の精霊が近寄っては寄り添いあい──その傷や体力を回復しているようだった。


「お前ら──! 気合を入れろ! もう一度……行くぞ! 遅れを取るなよ──!」

「私に続け──! 今が真価を問われる時だ!」

「「おおおおぉぉぉ──!!」」

イアンとムシュタルさんの号令に応じて──ギルド、軍関係なく雄叫おたけびを上げて両部隊は一気にハンネスへと錯綜する。


「何度も──何度も──! 無駄な抵抗を──!!」

ハンネスの方もそれに応じて攻撃を苛烈かれつなものへとしていくが先程とは比べ物にならない士気を持って押しのけるように両部隊はハンネスへと攻撃を展開していた。


    *


「綺麗──」

リンが自分とナビ、レイの3人の輪の中で生まれ昇華されていくソレを見ては目を離せなくなったようで呟いていた。


そう、自分の目の前には今──白銀に輝く自身を越える大きさの精霊と魔力の合わさった剣が発現されていっていた。


(もっと大きく──軽く──でも斬り裂ける……未来へとの懸け橋の剣を──)

自分の願いの大きさとイメージに応じて、白銀の力が──精霊が──ソレへと形を変えていく。

今やハンネスも流石に気付くだろう規模で白銀の展開されていくエリアが──精霊がそれに応じて踊るように発生していっていた。

そして白銀の魔法も精霊も収束するように吸い込まれるようにソレへと──剣へとつどっていき大きくなっていく。


    *


「あぁ──! 小賢しい! 吹き飛べ──!」

「「うわぁぁ──!」」

ハンネスの大きな一撃が炸裂さくれつして両部隊は瓦解がかいが起こる。


「っ──! ここまでか!? ムシュタル! 潮時だ!」

「っ──! ハンネス──! これは私のお前へ送る最後の手向たむけだ!」

それを見て素早くイアンは状況を判断して撤退の指示を出す。

ムシュタルも素早く理解をしており──最後に自身の全てを絞り出すように魔力を実剣に乗せてハンネスへと斬り飛ばしていた。


小癪こしゃくな──ムシュタ……」

最後までハンネスは言葉を紡ぐことはしなかった──いや、正確には出来なかった。


「なんだ──その魔力は!」

そしてハンネスは自分とナビ、レイが発現させている白銀の魔法と精霊の存在に気付く。


「白銀の──! 白銀の──!! 邪魔をするか────!」

そして自身のどす黒い魔法をまとった触手を自分達へと放ってきたが──白銀と精霊のエリアへと接触した端から打ち消されたり、又は消滅していっていた。


「──ぐおぉぉ?! 何が──! 何をした! 何をしている──!」

「その力は──!!」

接触して打ち消されては消滅した事へのダメージが通ったのだろうか──ハンネスの反応が明らかに今までとは異なる反応を示していた。


「これは──なんだ……暖かい」

「私の魔力も回復されていっているのか──?」

イアンとムシュタルも自分の領域へと無事に引き返して来ては精霊と白銀の力の恩恵なのだろうか──それを身をもって体験しては不思議そうに言葉を零していた。

同じように両部隊の人もそれぞれ反応は同じく──時には精霊への愛着を込めて感謝を述べて居る者もあらわれていた。


「シエル──! 貴様か! 貴様なのか──! やはり、お前が私の一番の障害なのか……」

「あぁ──これではダメだ……夢が平和が世界が……が……gagaggg」

ハンネスの状態は自己を肯定させる事が出来なくなったのか──はたまた黒い魔法の制御が上手くいかなくなったのか……どんどんと壊れたように自己の崩壊が始まって行くように──そしてそれに応じてその姿も更に一段階引き上げるようにどす黒い魔法に侵蝕されていっているのか……様相ようそうが危険でおぞましいモノへと変わっていく。


(危険だ──早く対応しないと)

イメージを固めつつ願いを更に昇華させつつ──ハンネスの変わり果てていく姿を視界に収める。

その姿はちた天使の様にも見えるが──そんな綺麗なものとは程遠いほどおぞましい姿になっていた。


(だけれども──)

それはリアルな方面であって、魔力的にはどんどんとどす黒い魔法に染められていき──精霊面ではハンネスの核ともいう部分は奇跡的にもまだ確認は出来るがそれ以外は全てを侵蝕しては支配権を奪うように黒い存在がうごめいているのが視えていた。


「ァ──ァァァアaaaaaAAAA──────!!」

そしてハンネスの壊れた咆哮ほうこうが──いや、これをもっての産声うぶごえだろうか。

世界へと鳴り響いていた。


「ァァァ──aaaァァァ──!」

どす黒く染まりきったおぞましい羽根を大きく広げ──知性の消失した目を自分を最大の障害……天敵と捉えたのか睨み付けていた。


「アァァァ──!!」

もう言葉を話す知性は失われたのだろうか──ハンネスの周囲にどす黒い魔法の収束と……そしてそれを自分へとハンネスは今までの中で最大規模で放って来ていたのだった。

coming soon

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