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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─⑭』

戦闘は次のステージへ──

『ナビ──!』

「合わせます──!」

先の攻撃よりも濃く強い──重いどす黒い斬撃が自分達へと迫って来ており、ナビと共に受け止めていた。


「ほう──受け止めるか」

「まるで儚い命だな──鬱陶うっとうしい……消えろ!」

「ァァ──ァァァア──!!」

受け止めているハンネスの一撃がより一層重くのしかかって来る。

それに合わせてハンネスの背後に居るマザーの断末魔が空間に響き渡る。


「まだ──耐えるか!」

「なら──まだ……注ぐのみ!!」

周囲の黒い霞がハンネスへ集っていき──そしてハンネスへと収束していた黒い糸からも多大な魔力がハンネスへと供給されていく。


『くっ──魂を吸い上げてるのか!』

「命と魔法──それをあの黒い魔法を通して……」

マザーの断末魔だけではない、空間の軋む音が──何よりもナビと共に力を合わせて拮抗させてる斬撃部分の白銀とどす黒い魔力からも激しい音が鳴り響いていた。


「ははは──それに気付いた所でどうなるという!」

「そうだ白銀──その色自体がわずらわしい……消え去れ!!」

そして全てを吸い切った分を更に斬撃にハンネスは乗せてくる。


『この威力──だけれど……!』

「はい──! 私とシエル様なら──!」

一瞬ハンネスの攻撃が重くなり押されはしたが──ナビと共に力を合わせる中でどんどんと白銀の力は大きくなるのを感じる。


『「はぁぁぁぁ──!」』

ピキッ! と最初に音が斬撃の接点部分で鳴ったような気がした。

だが、それは確かに命運を分ける音だったようで白銀の斬撃がどす黒い斬撃を押し返した瞬間だった。


「なんだと──!? っ──!」

ハンネスはその事象に初めて驚いた素振りを見せ──咄嗟の判断なのだろう攻撃を頭上へと逸らしていた。


    *


ドガァァァーン!! と頭上へと逃げたどす黒い斬撃と白銀の斬撃の威力は地下空間を充分に崩壊させる威力は秘めており頭上にはコロッセオ内が見える大きな穴が開いていた。


『皆──! 大丈夫か!?』

「──!」

ハンネスへと視線を外さないまま、背後へと声を掛ける中で──ナビは崩壊した瓦礫がれきけるように魔法を発現させていた。


「大丈夫です──!」

背後からはマリの声が聞こえ──チラッと横目に背後を確認してみると自分達のバリアに守られた皆が見えていた。


「あぁ──なんだ、その力は……」

「ははは──そうか、まずはお前を──白銀のお前が私の障害だったか……」

「ははは──」

皆の無事を確認する中で声が埋もれた瓦礫から声が聞こえ──一気に瓦礫が吹き飛んだと思ったらその中心にはハンネスが怪我1つ無く佇んでいた。

だが、その様子はどこか先程に比べたら不穏な空気をはらんでいた。


「その力はなんだ──そして、何故私の邪魔をする」

『何を言って──?』

「あぁ──分からないか、分からないだろう。そうだ──いばらの道を歩む私しか分からないだろう」

「シエル様──気を付けてください……何か先程と空気が──」

「そうだ平和の為なのだ──平和の為の力なのだ……なのに何故だ? なんなのだ? 今の力は……力は……」

どこか目の前のハンネスの状態が尋常では無いのは状況が知らせていた。

黒い糸に繋がれたマザー、周囲の黒い霞が──黒い糸が収束しているハンネス。

そして何よりも先程のハンネスとは違いどこか理性が欠落し始めているような──。


「おかしい──これは”神の力”だ」

「全てを染め上げて──我が物に出来る」

「何故防がれる……? 何故拮抗する? 弾かれる? 平和……恒久的な幸福──あぁそうだ平和だ」

「その為には弊害は──障害は──抹消するるるるるるるるるrurururu」

『ナビ──こっちへ!』

「シエル様──皆さまのバリアを今一度張り直します!!」

目の前のハンネスは最後は壊れたような声を上げ──そしてマザー諸共、黒い魔法を巨大なまゆのように展開させて内側へと消えて行く。


「父様──?」

「バル……しっかりしろ!」

「ぁ──あぁ……そうだな、すまない──」

皆の下へと一時、ナビと共に戻り黒い巨大な繭へと視線を戻す。


(なんだ──凄く嫌な予感がするぞ……)


『ナビ──ナビはあれをどうおも……』

思う? と聞こうとした時だった──。


「アァァァァァァァァ────!!」

「─────────────!!」

マザーの声? それに空間? いや精霊か……の震え、そして痛みを孕む声を……。

まるで何かが産み落とされ産声うぶごえが上げられるように空間に響き渡る。

そして──”ソレ”は最悪な形としてこの世に産み落とされた。


『ナビ──ごめん。多分──無理をさせる』

「大丈夫です──”一緒に”です。私はずっと一緒です」

ナビと共に改めて意志を合わせて目の前の”ソレ”を見る。


「a? ──あぁ、これだ」

「こうすれば良かったのか」

「……あぁ。居たな──羽虫はむしが」

「──消えろ」

目の前のハンネスは──人の形……をギリギリ保ってはいるのだろう。

だが、その大きさは明らかに異なっており崩落したコロッセオ部分まで届くまで巨大化し何よりもマザーを吸収した影響か人間と精霊と──何よりも黒い翼……や腕のようなものも生えており、随所ずいしょに黒い魔法に関連する全てを吸い上げた影響が出ていた。


(──なんだ、空間が……いや魔力層自体が軋んでる!?)


「シエル様──! 来ます! 全力で──」

『分かってる! 全力で──迎え撃つ!』

空間の軋む音が途切れ──一瞬の静寂の後……ハンネスの手指の先に収束したどす黒い魔法がこちらへと放たれてきた。


そして、自分達の視界がどす黒い魔法一色にて染め上げられていく──。

coming soon

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