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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─⑫』

そして遂に両者は邂逅する──

「やはり白銀の──お前が来たか」

「それに──」

チラッと自分を見つつ──バルとレイの方へと視線を転じるハンネスが開いた扉の先には居た。


(ん──あれは……)

部屋の中にはハンネスだけ居るかのように思えたが──その背後に気配を感じて視線をそちらに向けると。


「ァ──ァァ……」

そこには黒い糸に拘束された……。

(男の子? いや、あれは──)


「シエル様──あれはマザーだと思います」

ナビがすかさず答えを導き出していた。

(それに……)

「シエル──周囲の精霊? の気配が変……」

レイが隣で疑問をていしていた。


(精霊の存在は未だに詳しくは分からないけれども──この様子を見る限りは周囲の形をまだ保てない存在は全て黒く染まってしまったのか?)

出来る限り周囲の情報を読み取ろうとしていたが、目の前のハンネスはその時間を与えるつもりはないのだろう──こちらへと続けて話しかけて来た。


    *


「あぁ、これか──これは実に使い勝手が良い素材というよりは利用価値があるエネルギー源みたいなものだな」

チラッと背後のマザーに目を向けつつ、自分の視線に気付いたであろうハンネスは語っていた。


「そこの我が息子──バル。そして保険に掛けたその娘とは雲泥うんでいの差だろう?」

「父様──! 何故! 何故このようなことを!!」

「ん──? ほう……意識が魂が戻ったのか──ならもう一度」

ハンネスの声に応じて黒い霞が一気に命を持ったように動き始めてバルへと近づくが──自分とナビの魂の保護のバリアに弾かれて消滅していた。


「──やはり白銀のとは相性が悪いのか」

「父様──お答えを!」

「黙れ!! 語ったところで何が分かる!」

「バル──!!」

そして今度は一気に黒い魔法を槍状に発現してバルへと投じていたが──それにいち早く気付いたシュンへと斬り弾かれ塞がれていた。


「すまないシュン──」

「あぁ──大丈夫だ」

バルも今の一撃で警戒を強めたのかシュンにお礼を述べつつ実剣を構える。


「パパと──ママ──どうして……」

「ん?」

「あなたは意識が飲まれていない──」

「ほう──お前も……そうか隣の白銀の……シエルか。そいつに救われたのか」

「答えて──!」

レイが水状の槍をハンネスに飛ばすが──ハンネスに近づく過程で分解されて消滅していく。


「脆いな──こんな力では何も護れないぞ」

「それはおかしいです──あなたの力は守る為には使われてはいません」

「ここに来るまでに色々と見たけれども──全てあなたがやったことなの?」

「ほう──お前達はあの時も居たな。 あぁ──そうかあの時やはり私の結界を砕いたのは──」

マリとリンの質問にも興味なさげにしつつ、2人を見て何かを思い出したのだろうかハンネスは独り言を呟き始める。


「だが──少々、うるさいな」

「! ──させません!」

目の瞬きと同じ速さだろうか──瞬時にハンネスは黒い魔法を細かい針……けれども濃く魔法が練られたものをこちらへと放って来ていた。

だが、細かくハンネスの動向を見ていたナビは同じタイミングで反応をしバリアを展開して弾き返していた。


「──はぁ、やはり白銀は私の計画の障害となり得るか」

『……流石に答えてくれませんか。あなたの考えとやらをどうしてこのようなことを──』

「はっ! 力を持たずただ答えだけを求める浅はかさ──求めたら何事も得られると?」

「シエル様──」

『ナビ──少しだけ皆の保護を……』

「ほう──どこまでも邪魔をするというか。まぁ、良いだろう退屈していたのだ──少し遊んであげよう」

『あなたの──その黒く染まった先の想いを見させて貰います』

「はっ! 愚か者が──!」

そしてハンネスはスッと手元に赤黒い血のような色をした実剣を取り出して──振り抜いて来たのだった。

coming soon

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