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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─⑨』

舞台は賭博エリア中枢へと──

「イアンさん──!」

「見えてきました──!」

「しかし──この数はヤバいですって!!」

イアンの部隊メンバーの声が聞こえてきて、撃退しながら進行方向を見ると賭博エリアの中枢だろう姿が見えて来ていた。


(これは──)

その全容は見切れないが、エリアの中央に位置するであろう場所には巨大なコロッセオが見えて──その周囲にはこの世の娯楽を一纏ひとまとめにしたかのような豪華絢爛ごうかけんらんとした建物群が見えていた。


「構うな! ──速度を最大で維持しつつ突っ込め! ぎ払え──!!」

「「りょーかいです!」」

「「ハッ!」」

そう──今はそんな豪華絢爛な景観のエリアからは、これ見よがしにシャドウ達が現れてはこちらへと迫って来ていた。

そんなシャドウ達に向けて速度を緩めずにイアンの号令に従い軍、ギルド──その所属の壁を乗り越えて一丸いちがんとなって魔力車ごと全開の速度で賭博エリアの中枢へと突っ込んでいた。


    *


「これ以上は──すみません!」

「──も、持ちません!!」

「各自──魔力車から散開!! エリア内に居るであろう闇市場関係の者、及びハンネスをらえるんだ!」

運転士の限界を知らせる合図を皮切りにイアンはアナウンスを車両全体へと響かせる。

そのまま魔力車の速度は魔力の供給が尽きたのか減速しつつも多くの真正面のシャドウ達を巻き込んでエリア内へと突っ込んでいく。


「お前ら──全員、居るか?」

「「はい!」」

自分達含めイアンの部隊メンバーはイアンと共に同じ地点へと魔力車から散開──飛び立って同じ地点へと降り立っていた。


「チッ──いったいどのくらいの規模が居るんだ」

イアンの視線を追うと既に他の地点へと着地した他部隊へと群がっていくシャドウ達が見えていた。


「イアンさんどうしますか──?」

「現在の地点は賭博エリアの中枢──中央から少し外れた部分ですね……中央はまぁ、あそこになるのですが」

「ッ──何体かがこっちに気付きやがった!」

部隊のメンバーの方も周囲を即座に確認して、自身の置かれている状況の整理を始めていた。


他の皆を見るとそれぞれ表情を固くしつつも──しっかりとその手には武器を携えていて周囲を警戒していた。


    *


「シエル様──何か感じませんか?」

自分も周囲を確認しつつもナビの声にナビを見ると自分の瞳を真っすぐに見つめてくるナビが居た。

「私も──シエル、精霊がざわついてる……向こう」

そしてレイは精霊の加護の影響か周囲の精霊のざわつきを感じたのだろうか指をある方向に指し示した。


『やっぱりそうか──確かに向こうから黒い魔法の存在……濃い気配と、あの周囲から逃げ出すように精霊がざわついている感じがするな』

黒い存在──合わせて自分にも精霊の加護もあるからだろうか。

両方の面から自分はそう──エリアの中央に位置するコロッセオから嫌な気配を感じ取っていた。


「シエル──何か分かるのか? 分かるなら手短に教えろ」

そんな自分達のやり取りをイアンは見ていたのか自分へと確認する声を掛けて来ていた。

「──中央のコロッセオか」

『確信はしっかりとは出来ないのですが──』

「いや、この情報の無い中でのお前の判断は一番信頼出来る──」

自分の先程の説明を聞きイアンは即座に判断を下して次への行動へと移ろうと動き始めた。


「イアンさん来ます──!」

「道は俺が──いや、俺たちが切り開く!」

部隊のメンバーが声を上げた瞬間はこっち側を捕捉していたシャドウが襲い掛かっていたが──自分の話を聞いたイアンは振り向き様に一刀の下で斬り伏せていた。


「軍! ──ギルドの者に伝える!」

「エリアの中央だ! ──コロッセオだ!」

「そこに目標の本拠地及び首領が居る可能性がある──!」

「道を──俺たちで切り開くぞ!!」

イアンは風魔法を駆使してか周囲の者へと号令を掛けていた。


「おい──シエル」

『はい!』

「作戦前に伝えたな? 何かあればお前が皆を先導して守れと」

自分はその言葉に頷くとそれを確認してイアンは言葉を続ける。


「俺の部隊のメンバーは俺のバックアップを──シエル達はシエルを一時的に部隊長に命じる」

「道は俺たちが切り開く──途中までは俺たちが先行する」

「その後はシエル……お前達が行くんだ! ──分かったな?」

イアンの真剣な目と声を受けつつ、自分は再度力強く頷くとイアンは大きく背伸びをして腰を屈める。


「お兄ちゃん──」

「リン──無理をするなとは言わない」

「うん──」

「だが死ぬなよ──」

「お兄ちゃんも──!」

どこか横顔が少しだけ口角が上がったように見えたが一瞬の内に元の表情にイアンは戻っていた。


「お前ら──着いて来い! 一気に行くぞ!」

「了解です!」

「おう!」

「分かりました!」

「「『はい!』」」

そして、イアンは真っすぐにエリア中央のコロッセオに向けて進撃を開始する。

自分たちはその背中を追うように進みだして──軍、ギルドの散開した者たちもイアンの進撃速度と方向に合わせて合流して……一閃の星の様に──その輝きは消えることなく群がるシャドウ達を蹴散らし始めるのだった。

coming soon

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