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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─④』

そして被害はヒノモト全体へと──

「ァァァァァァ──ァ────」

自分の視界にとらえていた黒い人型の何かが動き始める──。


「ッ──!」

一般人の観客に襲い掛かろうとしていたのを近くに居たシュンが咄嗟に動いて木剣にて食い止める。


「シュン! ──そのまま押さえていろ!」

そして、そこへ父親のムシュタルが割って入りモンスターを腰に携えていた剣で両断する。


「良く動けたなシュン──偉いぞ」

「はい!」

少し照れくさそうにしながらも嬉しそうにシュンが反応しているのを横目にしつつ、周囲を見る。


「これは──困ったものじゃな」

「だが、狙いやすくはなった」

ドルマンさんとガイウスさんの声が聞こえてくる。


「ギルドの方でもエリア内の掃討を受け持とう」

「うむ。 ドルマンよ頼む。 ──ギルドも動こう。ムシュタルよ! 聞こえていたな!」

「はっ! すぐに対応致します!」

そして、ガイウスさんとドルマンさんは自分を見て「よくやった」と頷きつつ言い行動を開始する。


「”シャドウ”か──」

「言い得て妙ね」

『ん?』

「ほらこれ──」

マリとリンが話してるのも聞こえて反応をするとリンがネットの書き込みを見せてくれる。


(まるで人間の内から現れて黒い人影──存在に転じるから”シャドウ”か)

学院エリア内の書き込みはシャドウに関してで溢れ始めていた。


    *


その後はバルとレイも精霊の影響か体力、魔力共に回復していて共に周囲のシャドウの掃討に参加する。

周りの一般の方も相手が人ではなくモンスターとなっているのを段々理解と協力体制を敷くようになってから──共に掃討するようになったからだろうか、その掃討速度は飛躍的に早まっていった。


(でも──一番の理由は……)

そう、ギルドと軍の協力体制が取られた事だろう。

黒い糸が強制的に接続されたのは”反軍派”と”反ギルド派”が占めており、ほとんどの者は黒い存在──シャドウを生み出すのと同時に意識を消失させていた。


「これで一通り終わりかの?」

「うむ。そうなるだろうなドルマン」

「だが困ったの──」

「どうなされたのですか?」

ドルマンさんとガイウスさんの会話にマリが反応を返すと2人は視線を合わせた後に現状の情報をまとまってきたのを話してくれた。


「えっと──それは……」

マリの言葉が詰まるのも分かる。

話された内容は以下のようなものだった。


・各エリア──中央を除くで同じ現象が発生。

学院エリアでは自分が黒い糸を断ち切って、該当者から黒い存在──以下、軍とギルドでも存在をシャドウと定めたらしい。

シャドウを切り離したから良かったが、他の方面では混ざり合い変容した存在が暴れまわっているらしく──止める手段がギルド、軍両者ともに手を取り合い何とか殺す事でしか対応が出来ていないとの事。

現在も血みどろの争いと市民の避難を並行してしているらしい。


・中央に関しても何者達かが攻撃を仕掛けているらしいが、連絡系統が違うため詳しくは分からないとの事。


・そして、そんな状況下だから発生源及びシャドウに関しての情報が圧倒的に不足しているとの事だった。


    *


「……発生源に関してなら予測は出来るかも知れません」

『自分もその点は──出来るかも知れません』

ナビの言葉に続き──チラッと自分の服のすそを掴んで傍らにいるレイを見た後に自分も言葉を続ける。


「それは本当かシエル?」

『はい』

ガイウスさんの問い掛けに頷いて答える。


『先にナビの話の方が良いかも知れない。ナビ──?』

「はい。私の方は黒い糸が向かって来た方向になります──あの黒い糸、及び魔力は向こう側からこちらへと来ました」

ナビの指差す方向を見て、ドルマンさんが「賭博エリア方面か」と呟く。


『そうですね──自分も詳しくは話せませんが……レイを助ける際に”賭博エリア”と”闇市場”といワードを聞きました』

「闇市場だと──?」

話を聞いていたムシュタルさんが一気に顔を厳しいものにする。


対するドルマンさんは自分の話の中でレイの名前が出て──顔を申し訳なさそうに変化させつつレイを見ていた。

「レイよ──覚えておるかは分からないが……両親を探し出せなくすまなかった」

「────だいじょうぶ」

謝罪の言葉を聞いて、暫く逡巡した後に今の現状の気持ちをレイは応えていた。


「それに──今はシエルがずっと居てくれる」

重ねて、自分の裾から手を離し──自分へと抱きついてくる。

「そうか……そうか──」

どこか、申し訳なさと──自分へと非難ひなんするような何とも言えない視線をドルマンさんは向けて来ていた。


ふと意識すると──ナビ、マリとリン……他にも何かを感じる様な視線を感じたが、とりあえずレイの頭を撫でることに注力することにした。


    *


「シャドウに関してなら俺が──少しは分かるかも知れない」

皆のどこか非難するような視線が自分へ向いてる時にポツリとバルが呟いていた。


「そうなのかバル──?」

シュンがそんなバルを不思議そうに見返していて、シュンへと視線を向けて頷いたバルは語り始めた。


「あぁ──心象世界で改めて話すと言っただろう? 例の”黒い存在”に関して」

「確かにそうだ──言っていたな」

バルはシュンの返事を聞くと改めて周りの皆を見て、自分の過去から現在の事を話し始めたのだった。

coming soon

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