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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『闇市場─正義の行方─③』

そして騒動は大きくなっていく──

『よしっ──』

断ち切れた事により注がれていた糸は一瞬ブッツンと音が鳴り──引きちぎられように上下に分かれる。

それに合わせて学院のマザーが即座にエリアの結界を塞いでいた。


そのままナビ、レイと共に降下を始めて試合会場へと降り立つ──。

「シエル──!」

「「シエルくん!」」

「──」

降り立った自分へとシュン、マリとリン、バルが駆け寄ってくる。


    *


『ナビ──状況は?』

「お待ちください──」

そして降り立った際に周囲を確認し始めたのだろう目を閉じていたナビに状況を確認する。


「シエルよ──いったいこれは何が……」

ナビのサポートをする為に自分も意識を──周囲の状況を確認する為に魔力層に溶け合わせてる中でドルマンさんの声が聞こえてくる。


(──多分、こちらに向かっていて追い付いたのだろう)

ドルマンさん達の気配を感じつつも、感覚をどんどんエリア内へと伸ばしていく──。


(ナビ──これはどうなっている?)

(「分かりません──ですが混ぜ合わさろうとしていると思います」)

ナビと同じものを見れてると認識をすり合わせつつ、状況を確認する。


自分の認識出来る中では──どうやら黒い見えない糸に繋がっていた人たちに黒い糸が強制的に接続して……魂を”黒い何かが”浸食しようとしている所だった。

各々の守護精霊がそれを防ぐように魂の保護に奔走しているのが視える。


    *


『これは──まずい状況だ』

「シエルよ──どうなっているのだ?」

目を開けて現状の危険さを呟くと、自分へと近づいていたガイウスさんが問いかけて来る。

ムシュタル大将もこちらへと合流しており、先程視た”黒い何かに”自分とナビが認知していた──元から見えない糸に繋がっていた者に先の黒い糸が強制的に接続され浸食されつつある状況を伝える。


「むむ──どうにかならんのか?」

「元帥……部下から連絡が──中央を除く各エリアで暴動が発生しているとの事です」

「なんだと……?」

ドルマンさんが現状の打開を考えている所にムシュタルさんに部下からの連絡で各エリアの暴動の知らせが入って来ていた。


『情報が錯綜さくそうしているな──でも、今は……』

「シエル様──1つ提案が……」

とりあえず目の前の状況の打開に思考を走らせていると横合いからナビが声を掛けてくる。


『ごめん、集中してしまっていた──どうしたナビ?』

「白銀の糸です──あれを使えば……繋げて内側から一気に追い出したら」

『追い出すか──』

「いかがでしょうか?」

自分の会話が聞こえていたのかドルマンさんが話しかけてくる。


「また打開策でも生み出せそうなのかの?」

『えぇ──結果がどうなるかは見えないのですが……』

「ふむ……今でさえ悪いのだ──好転する可能性があるのならしてみるがよい。おい! ガイウスよ、大丈夫じゃろう?」

「私はシエルをサポートすると決めてるからな異論は無い──ムシュタルよ! 対応の準備は出来そうか?」

「ハッ! 部下の方も今回の事態は想定以上ですが──元より準備はしておりますので」

「──のようじゃ。シエルよ! やってみるがよい!」

『ありがとうございます』

ドルマンさん、ガイウスさん──ムシュタルさんが大きく頷くのを横目にナビと一緒に手を繋いで一歩前へと出る。


周りの皆はジッと自分の行動を見守るようだった。

──少しだけ、ほんの少しレイの心配そうな心が魂に届いたような気がして……そっと頭を開いてる手の方で撫でる。

『大丈夫だよ』と一言告げると自分の目を見て頷いて一歩後ろへと下がってくれる。


    *


『ナビ──イメージの補助をお願い』

「分かりました! シエル様──私は黒い魔法がどこかおぼろげに見えてしまっています。なので感覚の共有を……」

『わかった! そこは自分がサポートする! ──じゃぁ、始めようか』

「はい──!」

そして繋いだ手を通して、ナビと魔力を相互のやり取りで増やしていくのと──感覚とイメージを共有していく。


(ナビ──結構な数に……)

(「ですね──ただ、割り出しは終わりました!」)

(後はイメージか……)

(「そこは私がサポートします……行きましょう!」)


『ナビ──!』

「はい──!」

そして空いた手をナビと共に頭上にげる。


『届け──!』

「────!」

そしてナビと共に上げた手から無数の白銀の糸がエリア内に展開され──周囲の黒の糸に繋がっていた者へと接続されていく。


(────後、少し)

(──よし! とらえた!)


『ナビ──!』

「はい! 払いけます──!」

繋がられた者の魂へ浸食しようとする”黒い何か”を内側から追い出すイメージで一気に白銀の魔法を発現させる。


    *


「うぉぉぉぁあああ──!!」

「あががぁぁぁぁあ──!!」

周囲に繋がれていた者の雄叫おたけびだろうかエリア内に響き渡る──それと同時に”黒い何か”が外に押し出されるのだった。


「何あれ──」

「モンスター!?」

「人型?!」

「きゃぁぁあ──!」

周囲の音や声が魔力層を伝わって聞こえてくる──。


(うっ──)

少し、その音や声……感情に近いものが流れ込んで来て辛くなりそうになった瞬間にナビが瞬時に意識を補助してくれて、少しずつ自分自身へと意識が戻っていく。


『ナビ──ありがとう』

「いえ──流石ですシエル様。成功です」

『だけれども──』

ふと視線を前に向けると意識下で聞こえていた”存在”が見えていた。


(これは──なんなのだろうな)

モンスターの話をヒューズさんの病室で聞いた時があったが──これがモンスター?

人型は珍しい? と聞いてたはずなのだけれども……自分の目の前にはエリア内に先程接続した者から取り除いた黒い何かが変容して”黒い人型の何か”になった存在が居たのだった。

coming soon

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