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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『学内対抗戦㉞』

そして運命は収束する……?

「間に合った」

「偉い」

「大丈夫」

「助ける」

それぞれ──白銀の奔流が空間を満たして白銀に染まった世界に、無数の精霊たちの声が木霊こだまする。


「これは──」

『頼む! 何かが足りないんだ──!』

その光景に驚いた表情を浮かべるレイを見つつ、精霊たちに自分は助けを求める。


「命──足りない」

「だから──」

「命──あげる」

「使って──」

そして、無数の精霊たちがレイに向かって集まってはレイに溶け込んでいく。


「──暖かい」

『これは……』

そして、精霊たちが溶け込んでいく度にレイの半透明の姿がハッキリと実体を伴っていく。


「願い──叶えた」

「最後──頑張って」

「バイバイ──」

「────これは私たちの祝福」

最後の1つだろうか……レイに溶け込むのと同じく──”何かが壊れたような”そして同じく何かを祝福されたような術式の展開と発現を感じ取った。


    *


「────」

最後の精霊がレイに溶け込んで──当のレイ本人は目をパチクリとさせて目の前に居た。

そのタイミングだった。


「シエル様──! 大丈夫ですか!?」

『ナビなのか?』

「はい! レイ様の動きが止まって──こうやって声を掛けられています!」

頭上から声が降ってくるような感じでナビの声が落ちて来ていた。

精霊たちの姿は無く、白銀の奔流が今度は自分を引き上げるように上に向かって流れていくように切り替わっていくのが肌で感じる。


『レイ──行こう! さぁ、ちゃんと掴まって!』

「うん──」

そして、片方の手を強く握りしめて来て──もう片方はしっかりと自分を抱きしめる。


(────戻ろう)

そして、目を閉じて意識を現実世界へと浮上させるようにして心象世界の地を蹴って上へと飛び上がる。

──そして、上へと上へと引き上げられる意識と共に一瞬だけ思考が飛ぶ。


    *


「シエル様──! シエル様──!」

『ん──』

うっすらと視界を開けたら、自分へと語り掛けてくるナビと──目の前を見たら……。


「ぅ──ん……」

目の前には自分に持たれかかってくる──髪色が薄い水色……肌は自分と同じく白く透き通った感じのレイがそこに居た。


「ぁ──シエル……?」

『そうだよ』

「シエル──シエル──」

そして、そんな自分に確認するように問いかけて──それに応えると自分を確認するように強く抱きしめてくるレイが居た。


「シエル様──一体何が……」

『ごめん、俺も良く分かっていないんだ』

「…………なるほど」

自分の思考? 記憶を共有しようとしてるのかジッと自分を見ていたナビが大きく頷く。


「いくつかは分かります」

『教えてくれないか?』

「はい。1つは隷属契約が解消されております──もう1つが、もしかするとかもですが私と同じくレイ様はシエル様と共有が繋がっているかも知れません」

『──え?』


ナビの説明は以下の通りだった。

攻撃が急に止んだ時点でレイの何かが砕かれたような感覚があり、それが隷属契約の物だったのではないか。

そして、ナビと自分程に強力ではないが──少なからず微弱でも同じような共有する加護が……祝福と称して精霊たちからレイと自分へ与えられたのではないかという事だった。


「髪──水色? 肌──シエルと一緒……」

自分とナビの会話を聞いていたレイはそっと──自分を抱きしめるのを緩めると自分の”変わってしまった”薄い水色の髪色と自分と同じ肌色を確認していた。


「多分ですが、肌色はシエル様との共有の影響──髪は精霊たちの命がレイ様の水属性持ちの部分もあって、そこから顕著に反応して変化したのだと思います」

ナビはレイの命の灯が既に消えかかっていたのと──そこから自分との魂の共有と精霊の命をかてに新たにレイの魂と生命が芽吹いたのではと予想した。


「隷属契約……感じない。──これはシエルとあの子達の命……」

ナビの話を聞いてか自分を抱きしめながらレイは──その自分の命の有りところを感じ取っていた。


    *


「レイちゃん──!」

「終わったのでしょうか……?」

「シエル!」

「…………」

そして、そんな自分達へとリンはレイに向かって。

マリはゆっくりと周囲を確認しつつ近づいて来て。

シュンは何か自分に問いたそうな感じで足早に──その後ろにどんな顔をしたら良いのか悩んでいるのかバルが向かってきていた。


「えっと──リンちゃ……ん?」

「そうだよ!」

2人は確認するように話し合い始めていた。


「シエル! どうなった? ──それにあの光のオーブみたいのは? 俺の傷が綺麗に治ったんだ!」

「────すまなかった。上手くは言えないが……ありがとう」

シュンは身振り手振りを加えて自分に説明を求めてきて──背後から追い付いて来たバルは自分とナビ、そして全員を見渡すように見た後に、その頭を大きく下げて礼を述べていた。


    *


リンとレイが話し合い──自分はシュンへと説明をし……。

そしてバルとレイがお互いに置かれていた状況を確認していると──。


「!! ──シエル様! 何か! 何か大きなものが!!」

来ます! ──とナビが言う前にその現象は起きていた。


バァリィィィ────ン!! とエリア内を覆っている結界が突破されたような音が。

そして今やナビにも……他の皆にも見えているのか黒い糸が無数にエリア内に入って来て──ナビと自分が目星を付けていた黒い糸に接続されていた人たちへと……確かに目に見える形で今度は深く繋がれて行っているのだった。

coming soon

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