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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『学内対抗戦㉚』

物語はレイへと──

『くっ──!』

「──!!」

なんとかギリギリの所でレイの攻撃を凌いでいるという状態だった。

レイの連撃はどんどん速さと鋭さが増していき──そして、その小柄な身体を更に酷使しているのか時たま無理な軌道を描いては斬りこまれて来る。


『マリ! ──リン!』

「一旦壁を作ります!」

「私は風で押さえ込んでみる──!」

自分の身体が悲鳴を上げ始めているのが分かる。

その為、少しでも休憩を挟むためにマリとリンが支援をしてくれてはいるが──壁は一刀両断にし、風で押さえ込まれている中でもレイは突っ切ってこちらへと迫って来る。


「キヒッ──ヒヒヒヒ! アハハハ!!」

『──!』

「シエルくん!」

「レイちゃん!?」

二刀でなんとか受け止めては流していたのだが──強靭きょうじんな一振りが浴びせられた。

レイの意識はその時は既にオーバーフローに到達したかのように表面上にも変化が見受けられ始めていた。


『──っ!』

なんとか、その一振りを受け流す。


(くっ──手に力が入らなくなってきたか……)

手の握る感覚が鈍ってきているのを感じていると──。


「シエルくん! ──前!!」

マリの声に反応して前を向くと──一気にこちらへと先程よりも早く、そしてしなやかに強烈な一撃を斬りこもうとしてくるレイが見えた。


(──間に合わない!)

咄嗟の判断で防御の構えを取るが──レイの強烈な一撃が……。


「シエル様──!」

ナビの声が聞こえた瞬間、木剣同士が交錯した瞬間地点にバリアが生まれる。


「──アァアアアアァ!!」

なんとかナビの支援もあり受け止めきれてるが、目の前のレイは狂ったような声を上げてその木剣を押し込んで来ていた。


『ナビ!──ダメだ! それだとレイが持たない!!』

「──!!」

ナビの驚いたような感覚が瞬時に流れてくると同時にバリアが解除される──その隙に一気に後退してレイとの距離を取る。


「アハ?」

そんな自分をレイが狂ったような笑みを浮かべてはこちらへと視線を追っていた。


「シエル様──!!」

『ナビ──シュンの方は?』

後退した自分に追いついたナビが合流すると同時に──ナビにシュン達の安否を確認する。


「大丈夫です──!」

ナビの視線を追って、一瞬だけそちらを見ると横になっているバルと──その傍らに座り込んでいるシュンが見えた。


(よかった──シュンはやり遂げたんだな)

シュンの方の無事を確認して自分はもう一度仕切り直しだとかつを自身に入れて──レイを見る。


    *


「アハハ──?」

『ナビ──なんとか押さえ込めないか?』

「……なんとかやってみます」

レイは急には今度は攻めてくることもなく可笑しな笑い声を上げながらも自分を見て来ていた。

ナビにその隙に何とか出来ないかと問い掛けて、応えてくれたナビはレイを刺激しないようにか──そっとその場を離れてマリとリンのもとへと移動する。


「マリ様! ──リン様! 手伝って頂けないでしょうか?」

「はい、後もう少しなら私もまだ魔力はいけそうです」

「私はどこまでも──レイちゃんが助かるなら!」

「では私の合図に合わせて──マリ様足場の拘束とリン様はもう一度風で一瞬だけでも良いので行動を押さえてください!」

マリとリンの頷きを確認次第──「今です!」とナビが合図を送る。


(「シエル様! ──なんとか押さえます! なので、レイ様をお願い致します!」)

ナビからの声が届いた瞬間──状況に劇的な変化が起こった。


「足場を──押さえます!」

「私はそのまま上から風で──!」

マリが足場を──そしてリンが上から強風を起こしたのだろう。

先程まで可笑しな笑い声を上げていたレイを押さえ込んでいた。


(だが──これだけなら! 突破されてしま……)

その瞬間だった──黒い糸があるならば……それは白銀の糸だろう。

無数の糸が絡み合いつつ──レイを拘束していく。


(白銀の糸──!)

その発生先を見たらナビが両手を前に突き出してそこから無数の白銀の糸を操って──ほどかれては結び直し、切られては新たに生み出してレイを拘束していた。


「黒い糸の応用です──! 先程、シュン様の支援の際に覚えました! シエル様──!」

(「そう長くは持つかは──お願い致します!」)

ナビの精一杯の声が届いてくる。


『マリ、リン、ナビ──ありがとう!』

お礼を述べつつ拘束されているレイを見る。

(今──助ける!)

そして、自分は一気にレイへと接近して──木剣を両手から離して、右手をそっとレイへと触れるのだった。

coming soon

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