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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『学内対抗戦⑱』

シエルの物覚えの早さは目覚ましいものがある

それはシエル自身の成長する力か

またはナビの支援の賜物たまもの

はたは両方なのか──分かるのはとても物覚えも要領も良いという事だろう

『シュン、大丈夫か?』


「すまない、ちょっとギリギリだったみたいだな──」

そう言いながら、シュンは控室の椅子に座り込む。


『まったく──、少しは甘えても良いのに』


「えっ──おいっ、シエル……」

そっと、シュンの手を取り魔力を供給し始める──。


(さっきのリンで要領はある程度掴んでるから……このくらいかな?)


「──これは、確かに気持ちいいな」


「あっ! シュンくんも分かる?」

シュンの顔が緩むのを見つつ、リンが近づいて来て──シュンへと意見を交わし始めていた。


(──ん?)

視線を感じて、そちらに振り向くと──どこか羨ましそうに見て来ているマリが居た。


(……んー、これは──)

とりあえず、暫くシュンの体調が良くなるまで魔力を供給する事にする。


    *


『ほら、おいで? ──マリ?』


「えっ!?」

シュンの様子も穏やかになったのを確認しつつ、マリを呼んでみると大変驚いた表情を浮かべたマリが居た。


『ん? 要らないの……?』


「えっ? えっ──っと……は、はい。その、宜しく──お願いします……」

顔を少し火照ほてらせつつマリは、周りの皆を見つつ──自分の傍へと来るのだった。


(まるで飼いならされた猫のように大人しいな──)

顔を火照らせつつ、恥ずかしいのかうつむきながらもマリはそっと手を差し伸べてくる。


(スベスベだな──けれど、不思議だな)

マリの魔力回路だが、改めて実際に触れて視てみると不思議なものだった。

珍しい6属性なのも有るが……どこか、そうこれは──


(「”白銀の龍”と似た魔力を感じますね──」)

っと、ナビが自分の考えを代弁してくれていた。


(ナビもそう思ったか、そうなるとビンゴなのだろうな)


(「はい──多分、何かしらの因果関係はあると思います」)


(そっか、今はまだ分からないけれども気には留めておいた方が良さそうだな)

──ナビと少しだけ意見をり合わせつつ、マリへと魔力を供給し続ける。


(皆、やっぱりそれなりに疲弊ひへいはしているんだな……)

ふと、マリを見てみると──いつの間にか表情の火照りは残っているけれども、恥ずかしさからではなく気持ち良さからなのか、どこか恍惚こうこつとした表情へとなっていた。


(ちょっと、その何というか──つややかというか、なまめかしいというか……)


「──コホン」

少しマリへと、自分が向ける視線が怪しくなってきたタイミングで──背後のナビから咳払いが聞こえた。

ビクッとなってしまい、そのタイミングでマリの魔力の供給も終わってしまう。


「あっ──」


『ご、ごめん。大丈夫そう?』


「は、はい……」

どこか名残惜しい感じでマリが見てくるので、リンにもしたように頭をひと撫でする。

「あ、ありがとうございます──」と、そしたら幸せそうな顔でマリがお礼を述べてくるのだった。


(「まだナビは──そ、そこまでは許しては……いえ、独占欲とかではなくて──いえ、でもこれはもしかして独占欲? なのでしょうか? で、でもナビは──」)

ふと、ナビの思考が伝わってくる──感情が揺さぶられているのだろう。

とりあえず、こういう時は男の子としては変につつかない方が良いだろうと判断して──自分も落ち着くために背伸びをすることにする。


そのタイミングだった──。


「あっ──バルと……レイちゃんの試合だよ」

学内対抗戦の試合中継にて、バルとレイの試合が始まるのをリンが気付き、リンの声にて自分も含め皆で中継へを視線を転じ、そして観戦することにするのだった。

coming soon

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