『美しい世界④』
1度”生まれ変わった”世界は美しいかい?
リハビリ期間中に──色々と話をした。
それはヒューズさんでもあり……ナビも然り。
結論から言えば、俺は分からない事ばかりという事が分かった。
*
今現在──自分が居る場所は〝キョートー学院〝という……この国〝ヒノモト〝では有数の、規模で言えば一番大きい学舎だということだ。
小中高──更に大学まで……この広大なエリアに内包されている〝らしい〝との事だが、実はまだ話だけでリハビリ中の最中の俺には縁遠い話だったりする。
連絡手段も見慣れた機械仕掛け──いや〝フィットホン〝という代物を使っていた。
念のために、それは連絡手段用のツールなのかと、ナビに聞いたところ。
正解だった模様だが──この世界の魔力回路的に不慣れな人はフィットホンを使用するらしく、慣れている人は”脳内情報にて視覚可”して操作や調べものを出来たりするということだった。
*
(……もしかして〝夢?〝──だと未だに疑っている……あの世界は──その”視覚可した世界”だったのだろうか? いや、だが感覚も確かにあったぞ?)
(「はい──私が緊急措置として魂……曰く、精神の保護として〝旧世界〝の情報をサルベージして統合──且つ、シエル様の感覚器官もハッキングし結合……生命維持の為、そして魂の回復を心より祈りながら──あの世界を顕在させ〝私と共に〝シエル様を送り出していました」)
(──ん?)
(ハッキング……?)
いや、物騒なワードが聴こえた気がしたが──それはもう”今さら”だ。
問題は”その前”の言葉だ。
(待て──ナビ。〝旧世界〝だと? この外の世界はどうなっている? もしかして”ここだけ”が白い部屋で……外は荒廃した世界だとでもいうのか?)
(「いえ──世界は緑で溢れ……いえ、溢れすぎております。この〝ヒノモト〝の人類の生存圏は”旧世界”の〝日本〝でいう──1/4程には減っていると試算できます」)
いったい──何が?
(ナビ──何が起きた? 分かりやすく説明してくれないか?)
(「はい──では僭越ながら……」)
そしてシエルはナビから──現在の世界の情報を知る事になる
幸か不幸か
それはシエルにどんな影響を及ぼすのかは……まだ未知数なのだった




