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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『学内対抗戦⑩』

あそこのパンケーキはフワッと

あっちのクレープ屋さんはクリームが

そちらのお店はシフォンケーキが──

「本日はこれでお仕舞いですね」


「はぁ──なんとか勝てた感じもしたよ。ううん、でも私たちは”勝たない”とだものね」

マリの言葉の後に、気持ちを新たにしてリンが呟いた。


「俺も今日は初日からだけれども、シエルに助けられたと思った」

シュンはそれに続いて、自分を見ながら言葉を続けた。


『いや、そんなことはないよ。皆が居て、皆の力の結果だよ』


『それに──』

そう言いながら、横を見るとキョロキョロと周囲を見ているナビが居た。


    *


「どうしましょう……、食べたいものが沢山です」

そう言いながら、ナビは周囲を見ている。


今現在、無事に本日の試合工程が終わり当初の予定通りに出店を見に来てたのだった。


「ナービちゃん!おすすめは、あそこのクレープ屋さんとか美味しいみたいだよ!クリーム増し増しだって!」


「増し増しですか!!──えっと、それは素敵ですね……」

どうしましょう、どうしましょうとナビは出店を更にキョロキョロと見ている。


「可愛い──」

隣で声が聞こえたかと思えば、マリがナビの様子を見て顔を弛緩させていた。


「とりあえず、どこか落ち着ける場所を確保してご飯にしようぜ」


『そうだな、ナビー!おーい──!』

シュンの言葉を聞きながら、ナビを呼ぶけれども……。


「えー──っと、あそこはフワッとしたのが売りみたいで。向こうはモチッとしてるのが特徴なのですね……、悩ましいです──」

ナビは自分の声が聞こえていないのか、一生懸命に周囲の出店の口コミ情報も含めて調べてるようだった。


「ほらー!ナビちゃーん!」

そんな、自分の声に気付いたのは隣のリンで、ナビを確保しつつリンは自分の所へナビと一緒に戻ってくるのだった。


    *


「もう、食べきれ……ません」


(満腹感あるの、今にして思えば不思議だな?)

隣で大満足そうな顔をしているナビを見ながら、ふと、そんなことを思った自分が居た。


(いや、満腹中枢みたいな神経部分があって刺激されてるのかな?)


「もう少し、食べたいものがありましたが──それは明日の楽しみに致します」

そんな事を思っていると、ナビが明日の食べたいものでも既に決まっているのか呟いていた。


「それにしても人が多いねぇ!」


「ですね。ここまで多いとは思っていませんでした」

リンは周囲を見ながら、マリはそんなリンの言葉を聞きながら述べていた。


「例年よりは多いのは確かだろうな」

そう言いながら、シュンは「今年は俺も、バルも、そしてシエルも居るから。そして、多分リンとマリの関連もあるんじゃないか?」っと、推測を立てた。


「まぁ、否定は出来ないところだよねぇ」


「確かにそうですね」

リンもマリもシュンの推測に同意しつつ、こちらを見てくる。


『ん……?』


「それにしても、シエルくんには驚かされました」


「私も!」

マリに続いて、リンも頷きながら同意していた。


「だよな。あの大規模魔法を一刀両断で斬り飛ばすなんて、俺は初めて見たよ」


『そんなに凄いことなの?』


「あぁ、少なからず俺は初めて見た」

「私もですね」

「私も同じく!」

3人とも同じくこちらを見つつ同じ感想を述べて来たのだった。


「──ふぅ」


「「「『……?』」」」

少しだけ静寂が訪れた中、不意にナビから”おくびにも似た”音が口から出て、自分も含めて皆がナビの方を見ていた。


「ぁ──、すみません……」

そんな見られたナビは一気に顔を染めて、下にうつむいてしまっていた。


「ナビちゃんは食いしん坊さんだなぁ」


「今日はもう寮に帰って休みましょうか、明日も頑張らないとですし」

リンはそんなナビを見て明るく笑い、マリもそんな雰囲気に当てられつつ、楽しそうに帰る提案をするのだった。


「そうだな、シエル帰るか?」


『あぁ、帰ろう。明日に備えて早めに休もう』

皆で頷いて、そして今日は早めに帰って休むことにしたのだった。


    *


「……」


(ははは……)


夜はベッドではナビは未だに恥ずかしいのか、いそいそとベッドに潜り込んでは寝てしまったようだった。


(それにしても──)

周囲の魔力層を把握してみると、少しずつだが”確かに”黒い薄い糸が多くなっているのを感じるのだった。


(そして──)

バルとレイの方向へ感覚を向けると、どす黒い魔力を感じるのだった。


(学園寮のマザーは気付いていない?それとも、そういう部分を”阻害”されている?)

残り2日か、とりあえず休もう。

そっと、ナビがそのタイミングで手を伸ばして来たので、その手を握ってあげていたら、睡魔に自然と誘われていったのだった──。

coming soon

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