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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『学内対抗戦⑨』

木剣だけではない


魔法もやっぱり有効なのだ


要は使い方次第なのだろう

「すみません、そろそろ準備をお願い致します!」

皆で話し合いも終わりつつ、弛緩した空気の中、運営スタッフの方が試合の始まりを知れせに来た。


『行こうか』

皆に呼びかけると各々頷きつつ反応を見せてくれて、試合会場へと向かうのだった。


ーーー


「どうくるかな?」


「どうでしょう?」

リンとマリが相手の雰囲気を見て疑問を声にする。


『シュンはどう見る?』


「そうだな──」

シュンの見解は、相手の雰囲気が一気に攻めてくる様子には見えないと、皆と同じ意見だった。


「ですが、警戒に越したことはないとナビは思います」


『そうだな』

皆で頷きあって。木剣を構える。


それを見計らったように審判が「それでは両チームの準備も終わったので戦闘を開始致します。ご健闘を祈ります!では、始め!──」と、宣言をするのだった。


ーーー


「やばいぞ!シエル──!」


『わかってる!』


『ナビ!頼む!』


「大丈夫です!サポートします!」


シュンの発言の意味はすぐに分かった。


相手の動きが先頭の開始に合わせて、1人は大規模魔法を行使するのだろう、魔力層の波に大きな揺らぎが生じていた。


(問題はそこじゃない──!)

目の前を見たら、沢山の各属性の魔法の弾幕がこちらに降り注いで来ていた。


「リン!」


「分かってるよ!マリもお願い!」


「分かってる!」

マリはシュンとナビ、リンの前に土の壁を形成。


「俺も補助する!」

シュンはマリの土の壁の外側に光のバリアを、リンはその外側へ風のバリアを形成していた。


『出来るか……?いや、やるんだ──!』

そんな中、自分はいち早く大規模魔法の行使の流れに気付き、相手に突っ込んでいた。


(こんな目の前に沢山の魔法の弾幕かゲームでもお見えにならないな──)

思考の加速と身体の反応速度、そして筋肉の1つ1つに組織の活性化を魔力をわせて促していく。


(運動野と感覚野の融合──!)


『ここだっ──!』

立て続けに降り注いでくる魔法の弾幕を1つ1つ”しっかり”と弾道を捉えて、木剣に魔力をわせて切り裂いていく。


(多すぎる!)


(「大丈夫です!」)


弾幕は一方向からではなく、術者がその方向性に指向性を持たせたのか横からも来るがあったが、切り裂ききれない弾幕はナビがバリアを張って打ち消してくれていた。


「嘘だろ──?!」

「おいっ!突っ込んでくるぞ!」

「──っ、ダメだ!奥の方も防ぎ切られた!」

「くそっ!おい!魔法の発動は──!?」


「持たないか!不完全だが──いくぞ!」

相手の声に続けて、魔力の波が収束したものが解放されるのを肌で感じた。


「シエル!逃げろ!”それは無理だ!”」

シュンの声が後方から聞こえてくるが、目の前には”業火の炎”をイメージしたのか大規模な炎がこちらに迫って来ていた。


(大丈夫、文献で書いてあった)


(完全と云っても、魔法には”ほころび”が生じている場合もある)


(それは行使する者の技量や、イメージに寄るところが大きいみたいだ)


(そして、今の目の前の──この大規模魔法にはそれが……)


『ここだっ──!』

大規模魔法の綻び部分を魔力の波を視て木剣に魔力を厚くわして、光属性によって刀身を目一杯伸ばして魔力を切り裂き飛ばす。


魔力を感じられるのはナビと深く、この世界にも繋がってるからだろう。


そして、このブリッケンさんの木剣だからこそ出来る芸当だろう。


「すごっ!」


「嘘でしょ……」

リンとマリの声が重ねて後方から聞こえてくるが。


「シエル様!前から来ています!」

ナビの声で思考を目の前に切り替える。


「こんなの見たことないぞ──!」

「可能なのか……?」

「もう魔力量に余裕はない!」

「とりあえず、目の前の敵だ!行くぞ──」


相手の4人が木剣を構えて迫っていた。


奥の大規模魔法を発現したであろう相手は魔力切れなのか、そのまま前へと倒れ伏していた。


(大丈夫、見えている──!)


運動野と感覚野の加速した世界では相手の動きがゆっくり見えていた。


「おいおい──マジかよ……」

1人、また1人と相手の剣筋を読んでは斬り返しては倒して、又は光属性のバリアで弾き返して隙が出来た所を切り伏せる。


「こんなの話以上だ──!」

そう言いながら、最後の1人が木剣を振るってくるが、目の前に見える剣筋は素人に毛が生えた程度の技量だった。


(魔法の扱いの方が得意なのかな──)

そう感じつつ、剣先をかわしつつ、けるのに合わせて木剣を一閃いっせんさせる。


「くはっ──」

そのまま、倒れていく相手を見る。


気付けば会場が静寂に包まれていた。


(しまった、やり過ぎたか──?)


しかし、審判の「──────終了になります!勝者はシエル様のチームになります!」と、合図が静寂の中に響いたら、今の所、最大だろう大きな歓声が沸き起こったのだった。

coming soon

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