『結びつく運命㉒』
朝はゆっくり目覚めたい
けれども、時には
そう簡単にはいかないもの
「シエル様ー?シエル様・・?シエル様ー?」
ガイウスさん、ドルマンさん、そして、ムシュタルさんとの会合から数日が経った。
そして、ブリッケンさんと約束していた、一週間目になったのだった。
「むぅ・・」
そして、本日はシュンと、マリと、リンも一緒にブリッケンさんの所に訪ねる事にしていた。
「シー、エー、ルー、さー、まー!」
”ポコポコ”っと、気持ちよく、起こすのに叩いてくるナビが、そこには居た。
(あ、気持ちいいかも・・)
まだ、起きたての頭で、ボンヤリとしている中。
「シエル様・・?むぅ、そうなりますと・・」
”えいっ”っと、抱き着いてくるナビと同時に、室内の間仕切りのドアが開かれたのは同時だった。
「あ・・」っと、声を上げたのは、マリだろうか、リンだろうか。
「ひゃぁ!?」っと、ナビさんも、どこから”そんな声”が出てくるの?っと、言う声を上げていた。
うん、上げていた。
不可抗力なのだ。
「ジー・・・」っと、マリとリンの視線が切り替わったのは、ご愛敬だろう。
ナビさんも、抱き着いたまま固まってるのかと思ったけれども、よくよく見たら、顔がピンク色に染まっていっていた。
「おーい!シエルー!」っと元気に、その後に入って来たシュンが”あ・・”っと、言いながら退散したのを自分は見逃さなかった。
(シュンよ、今が”男として譲れない、無理を通す時では”・・・)
(「・・・そ、それはシエル様の事です」)
見たら、頬いっぱいに染めてるナビさんが、ツッコミを入れていた。
(無理を通すか、・・”そういうこと”なのだろう)
うん、覚悟を持っていこう。
『えっと、おはよう?良い朝だね?』
思った以上に”かすれた”声になってしまったが、挨拶から始めよう。
今日は”まだ”始まったばかりなのだから。
ーーー
その後は、ちょっと”むすっ”っとしてしまった、マリとリンに茶々を入れられつつ、ブリッケンさんに会いに支度を始めるのだった。
シュンが”そぉー”っと、中を窺いながら入って来た時は、空気が暖まって来てからだった。
横目でシュンを見ると”ごめん”のポーズをしていたけれども、まぁ、うん、原因は自分にあるのだ”気にしないで”っと、口パクとジェスチャーで伝えたのだった。
coming soon




