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前編

 途中まで執筆していた作品を仕上げたので、載せてみました。

前、後編の二話構成でお送りします。


 後編は明日、18時に掲載します。

 昔からこうだった。


「でも、こっちの茶葉が良いと思うのだけれど」


「だけど、貴女にはこっちが似合うと思うのよね」


 母親であるカミラはいつも娘であるキャスリーンの意見を否定し続けている。

 そして今日もまた


「でも、貴女にはこのビビッドピンクが似合うと思うの」



 そう母親に声をかけられたキャスリーンは小さくため息をついた。



 キャスリーンはブレナン伯爵家の娘だ。ストレートでサラサラの焦げ茶色の髪、細い瞳。筋の通った鼻。キリリとした凛々しい顔つき。そして他の令嬢より少しだけ高い背に、細身のプロポーション。絶世の美女とまではいかないが、他人に彼女が「可愛い系か美人系か?」と尋ねれば、「美人だ」と言われるような外見。

 元々彼女は控えめで、大人しい性格の令嬢だ。両親の爵位も伯爵位。彼らは堅実に領地を治めており、立ち位置としては大勢の貴族の中の一貴族。特別に認知されるような成果も上げていない。普通の貴族である。

 だが、そんな普通のブレナン家にも一つだけ、注目される事があった。それが、キャスリーンのことである。

 

 社交界での彼女の通称は、「目の見えない令嬢」。この渾名が彼女を目立たせていた。



 今年もまた、王家主催の社交パーティが開催される。


「あら、またキャスリーン様は目が見えないのですね」


「流石、『目の見えない令嬢』ですわね。私なら、恥ずかしくて外には出られませんわ」


 そう彼女を嘲笑う声が耳に入る。もうこのような態度を取られるのも何度目だろうか、彼女の心は既にカラカラに乾いた砂のようだった。


 彼女が冷笑されている理由は、彼女の衣装である。美人顔の彼女が着ているのは、ビビッドピンクカラーでフリルとリボンたっぷりのドレス。美人顔の彼女には似合っていないのだ。それが一度だけならまだしも、何度も何度も同じような装いで参加している彼女の姿に他の令嬢は笑いを抑え切れていない。

 

 彼女に忠告した令嬢もいたのだが、一向に改善がみられなかった。諌めた令嬢も他の令嬢も呆気にとられてしまい、その後彼女を戒める者はいなくなる。その時からだ。衣装が似合っていない事を理解できない令嬢=目の見えない令嬢と蔑視されるようになり、今に至っている。

 と言っても、彼女たちもキャスリーンが好き好んでドレスを着ているとは思っていない。そんな事はキャスリーンの顔色を見れば理解できるのだが、彼女が元凶であろう人間を止められず言いなりになっている事も問題なのだ。


 社交界ではある程度の年齢、一般的には結婚適齢期と言われる年齢からだろうが、その時期になると花嫁修行の一環として衣装は自分で選ぶよう親から指示される。そのためキャスリーンと同年代の令嬢は自分自身で衣裳を調整し、その後に母親からの意見を反映させてパーティーに挑むのだ。

 キャスリーンだって、伯爵令嬢である。衣服のセンスが悪いわけでも無いし、自分の意見でドレスを仕立てても問題ないはず。だが、頑なにそれを許さないのが母親であるカミラだった。カミラは娘を愛していないわけではない、むしろ溺愛している。だからこそ自分の意見通りにキャスリーンが従えば、彼女は幸せになれると信じているからだ。

 

「昔、旦那様に見初められた時に着ていたものがピンク色でプリンセスラインのドレスだったのよ。私の娘だもの、貴女も同じようなドレスを着れば、素敵な男性に好感を抱かれるはずよ!」


 自分がそうだったから、娘もそうだろう……そう信じて疑わないカミラ。まるで娘の人生は、自分のものであるかのように意見を押し通す。そのためキャスリーンが反発すれば駄々を捏ねる子どもの様に癇癪を起こし、彼女の意見が通るまで機嫌が治らない……キャスリーンは、子どもながらにそんな母親であるカミラの相手に疲れ、言いなりになってしまっている。

 もしキャスリーンが母親似で可愛らしい外見であれば、カミラのお勧めするドレスも釣り合っていたのかもしれないが、残念ながら彼女は父親のマティに似たようだ。むしろカミラに似ているのは、まだ成人していない弟だった。

 

 マティはキャスリーンに興味がないのか、カミラに追従するばかり。そのため社交界ではブレナン伯爵家は美的感覚に難ありと思われているのにも気がつかない。



(本当に、もう帰ってもいいかしら?)


 彼女の両親は遠くで知り合いの貴族と談笑しているため、こちらを気に掛ける様子がないのは幸いだ。もし目についていれば、カミラが「もっと目立つ場所にいなさい」と口酸っぱく言ってくるに違いない。

 彼らに見つからない様に壁の花になりつつ、キャスリーンは周囲を見渡した後一つため息をついた。こんなちぐはぐな服を纏っている令嬢に近づきたい男性などいないだろう……という思いを振り切るかの様に、給仕に渡され手に持っていたグラスを一気にあおったのだが、その後すぐに足がふらついてしまった。


(しまった、お酒だったのね……)


 よろめきながらも風に当たろうと、キャスリーンは庭園に向かう。そして人目につかないであろう、離れた場所にあるベンチに座り、会場のさざめきを聞きながら感傷に浸っていた。



 どれくらい経ったのだろうか、ホールからは音楽が流れ始めている。舞踏の時間が始まったのだろう……その音楽を上の空で聞いていると、目の前から誰かがこちらに向かって歩いて来る事に気づく。

 その影は男性のようで、止まる事もなく歩みを進めている。自分に用事があるのだろうか、でもこんな私に何の用が?と考えているうちに、その人はキャスリーンの前で足を止める。そして開口一番


「君は、もしかしてキャスリーン嬢かな?」


と声をかけられた。

 キャスリーンは頭をガンッと打たれたような鈍い痛みを感じた上に、惨めだという想いが強くなっていった。異性からは「関わりたくない令嬢」、同性からは「美的感覚がない令嬢」として今までも蔑まされ、その上名も知らない男性にも名前を呼ばれ……どうせ、服装が似合わないとでも言われるのだろうか。

 お酒を飲んでしまった事で、悲観的な思考に偏っていたらしい。抑えていた今までの不満が爆発し、今すぐこの場から立ち去りたくなる。


「お見苦しい服装で申し訳ございませんわ。不快でしょうから、このまま失礼いたします」


 と彼女が頭を下げ、男性に背を向けて足を踏み出そうとした時。後ろから当惑したような声がかけられた。


「不躾で済まない。君と話がしたいだけなんだ」


 素直に頭を下げられ、謝られたことに驚いたキャスリーンは、思わず振り向いていた。まさか謝罪されるとは思わなかったからだ。

 改めて男性の顔を見ると、見覚えのある顔立ちだった。確か侯爵家の人だったはずだ。


「私はセーラム・ルーと言う。少し話をしないか?」


 それが彼女の人生を大きく変えることになる出会いになる。



 舞踏会も中盤に差し掛かった頃だろうか。キャスリーンとセーラムはベンチに座って話していた。


 今まで彼女を嘲る人は多数いたが、セーラムのように話を聞いてくれる人は一人もいなかったため、彼女も嬉しかったのかもしれない。あとは、彼が話しやすい空気を作ってくれたからだろう、キャスリーンは母親に逆らう事ができないという事を勢いで話す。

 それを聞いたセーラムは、納得したような表情を浮かべている。


「そうだったのか。確かにそれは辛いだろうな……」


 プライベートな家事情まで話してしまったキャスリーンは気まずそうに縮こまっていたのだが、セーラムが同調してくれた事に驚き、言葉を続ける事ができなかった。それよりも嬉しさが勝ったのか、涙がこぼれる。

 彼女が涙を流していることに気づいたセーラムは、慌てて胸のポケットに入っていたハンカチを彼女に手渡す。キャスリーンはハンカチをありがたく受け取り涙を拭いていたため、彼の表情の変化には気づいていないようだ。

 彼女の涙が落ち着いたところで、セーラムはこう切り出す。


「良かったら、私が手助けしよう。なに、契約とでも思ってくれればいいさ。これでも私は侯爵位を持つ人間だ。君の母君も悪くは言うまい。交換条件として君にお願いがあるんだが、手伝ってもらえないか?」


 セーラムに手を差し出されたキャスリーンは一瞬狼狽るが、彼女もこの環境を変えたかったのだろう、恐る恐るその手をとったのだった。

 



 セーラムと会話をした数日後。


「キャスリーン!良かったわね!!」


 まるで今にも躍り出しそうな母親の姿を見て、何のことだろうと首を傾げる。


「あのルー侯爵から婚約の申し込みを頂いたのよ!やはり私があのドレスを仕立てたからよね〜」


 この前の手助けとは婚約の事だったのか、とキャスリーンは気づく。確かに婚約者であれば、ドレスやアクセサリーを送るのは不自然ではない。いくら母であっても、侯爵から寄越された服装にケチをつけることはないだろう……。

 と感じたところで、彼女は助けられた自分を恥じた。本当は、彼に手助けされる前に自分で解決しなければならない筈だったのだ。けれども、「言い出したら聞かない」母親というレッテルを貼り、毎回自分が我慢すれば良いと諦めてしまっていたのも事実。父に相談して母がいない時に仕立て屋を呼ぶこともできたし、パーティー前に癇癪を起こす母親を力ずくで追い出しても良かったのだ。


 そもそも何故それを思いつかなかったのか……と彼女は自分の駄目さにため息をつくが、元々キャスリーンが幼少の頃からカミラは気に入らない事があると娘にも使用人にも癇癪を起こして手がつけられない事が多々あった。その姿を見ていたキャスリーンが、「母の言う事を聞かなくてはならない」と感じてしまうのも無理はない。

 幼少の頃から植え付けられた価値観は中々変える事はできず、しかも彼女はカミラの表情を伺って行動する事に慣れてしまっていた。だからそのような事が思いつかなかったのだろう。


 だが、セーラムに助けてもらう事で、彼に与えられるだけではいけないとキャスリーンは決意を新たにできた事は幸いだった。目の前がまるで色を取り戻したように輝いて見えるようだ。

 自分のお陰だと喜んでいる母を一瞥し、キャスリーンは自分にはどのようなドレスが似合うのだろうかと思案する。そんな娘の姿を見ることもせず、自分に酔いしれているカミラは気づかない。娘だけでなく使用人すらもカミラを白い目で見ている事を。


 セーラムとキャスリーンの婚約はカミラだけではなく、マティにも好意的に受け止められ、婚約が結ばれた数日後キャスリーンはルー侯爵家へ馬車で向かっていた。

 自身の屋敷よりも一回りほど大きいルー侯爵家の屋敷に気後れしながらも、セーラムに手を引かれて門の中へ入っていく。バラの生茂る庭を抜けると、玄関の扉があり、扉の前に何人か立っているのが見えた。


「今日はキャスリーンにお願いしたい事があってね。あ、もう来てたのか」


「お兄様!」


 扉の前に立っていたうちの一人、小柄な女性がセーラムの元に駆け寄ってくる。キャスリーンは、可愛らしい女性ね……と思うのと同時に、彼女の言葉の意味を理解した。


「セーラム様、その方は……?」


 彼女が不思議に思うのも無理はない。貴族であるにも関わらず彼女は、ワイシャツと腰部分はギャザーを寄せて絞ったスカート(後で聞いたらダーンドル・スカートと言うらしいが)を履いており、貴族の女性が着るような服装ではないのだ。

 混乱していた彼女に気づいたセーラムは、キャスリーンの疑問に答えてくれる。


「ああ、紹介が遅れたね。私の妹で『ルミエール』の……」


「マリーンと申します。ルミエールの専属デザイナー『マリエル』として働いています」


 マリーンはキャスリーンに礼を取った。その隣では、言葉を取られたセーラムが苦笑いをしている。


「ルミエールって、あの王家御用達の……」


「義姉様、ご存知なのですね!はい、そのルミエールです」


 マリーンは満面の笑みでキャスリーンに同意した。彼女が勤めている『ルミエール』とは、この国で一番の衣装屋である。特に女性のドレスが人気で、社交パーティー前には予約で満杯になってしまうほど繁盛しており、この店で仕立てたドレスを着衣する女性は羨望の目で見られ、一種のステータスなのだ。その中でもこのブランドを寵愛している貴族女性の筆頭は、王妃である。

 ルミエールは専属デザイナーを数名抱えているが、彼女たちは同時に貴族のお抱えにもなっている。貴族のお抱えが少なくなれば、デザイナーの入れ替えも発生するような、とてもシビアな世界なのだ。


 キャスリーンも伯爵令嬢である。勿論、ルミエールのことは知っている。金銭的な問題でルミエールでドレスを購入をしたことはないが、「一度着てみたい」と思った事はあった。かなわない夢だと諦めたが。


 そしてキャスリーンは気づいていないが、ルミエールの専属デザイナーマリエル、と言えば、ルミエール内でもいちばんの人気を誇っているデザイナーであり、王妃だけでなく公爵家にも愛好家が多い。しかも、マリエルの出自は知られておらず、彼女の噂はちょっとしたゴシップにもなるくらいだ。


 さらっと義姉様と呼ばれた事よりも、有名デザイナーのマリエルがまさか侯爵家出身のお嬢様だとは誰が思うだろう。キャスリーンは言葉を紡ぐ事ができなかった。


「マリーンにキャスリーンの事を伝えたら、モデルになって欲しいとお願いされてね。マリーンの衣装モデルになってもらえないかい?」


「もしかして、契約とは……」


「ああ、この事だよ」


 それを聞いて納得した。聞けば、マリーンの顧客はAラインドレスやプリンセスラインのドレスを注文する女性が多いらしい。マリーンとしては、他の形のドレスを作成したいと考えていたところ、キャスリーンの話が出たのだという。


「では、今日は私がデザイナーを担当致しますので、よろしくお願いしますね!」


 マリーンはそう言うとすぐに、キャスリーンの手を取り室内に入っていく。キャスリーンはされるがままに、彼女について行った。



「私、お兄様とは血が繋がっていないんですよ」


「そうなの?」


「はい、私は大旦那様と大奥様の下で働いている使用人の娘なのです。お兄様と年が近かったことと、両親が大旦那様に古くから仕えている家系だったので、兄妹のように育てていただきました。本当はルー侯爵家の使用人になるように育てられたのですが、私は侍女よりも裁縫が好きだったので両親に直談判したのです。そしてルミエールの就職試験を合格して、そこで腕を磨いて今に至ります」


「相当努力されたのね……」


「最初は大変でしたが、厳しくも優しい職場だったので続けられています」


 キャスリーンはマリーンの心懸けに感心した。環境を変えられず諦めていた自分とは違う。流されるのでなく、自分の意思でルミエールの専属デザイナーの座を掴んだ彼女は輝いて見える。

 

 キャスリーンは、マリーンのように生きたい、ふとそう思った。カミラから「淑女らしくあれ」と言われて練習していた裁縫は正直苦手だ。彼女が上手くできる事をキャスリーンはできない。カミラは読書を嫌っているが、キャスリーンは読書が好きだ。カミラは庭でお茶を飲むのが好きだが、キャスリーンは庭いじりをするのが実は好きだ。とことん母であるカミラの好みと反対なのである。残念ながら、読書も庭いじりもカミラに否定されてしまいできていないのだが。


 それと比べて、セーラムはキャスリーンを否定しない。何度か一緒に乗っている馬車でお互いの好みの話をしていたのだが、セーラムも読書が好きらしく「好きなだけ読書をすると良い」と言われたし、庭いじりをしてみたいと言ったら「庭師に相談しておく」と言ってくれた。契約とは言え、ここまで自分の話を聞いてくれるセーラムに好意を持たないわけがない。しかし、キャスリーンの心の中では「契約」という言葉が引っかかっていた。


(私がモデルを引き受ける代わりに、セーラム様は私を手助けしてくれているだけ……これは契約よ)


 胸中では複雑な想いが渦巻く中、マリーンはデザイン画をスケッチブックに書き留めていく。半時間ほど経つと、色がついたデザイン画をキャスリーンに見せてくれた。


「義姉様は細身で、同年代の方より大人っぽい雰囲気を醸し出しておりますので、マーメイドラインのドレスが似合うと思います。いくつかデザイン画を描いたので、見ていただけますか?」


 見せてもらったデザイン画は見事なものだった。あの短時間でここまで……と感動する。夢中で見ていると、ふと後ろに気配を感じたためキャスリーンが振り向くと、そこにはセーラムが立っていた。


「マリーン、良いデザインじゃないか。流石だね」


「いえ、お兄様。モデルが素晴らしかったのですわ」


「じゃあ、描いてくれた分仕立ててもらえる?」


「宜しいのですか?!うふふふ……承りました!一生懸命仕立てさせていただきます」


「え、あの……?」


 二人の会話に付いていく事ができないキャスリーン。しかも彼女の耳に入ったのは、ドレスを全て仕立ててくれという言葉。止めようと言葉を発しようとするも、マリーンは既に扉に向かっていた。気持ちが浮き立っているのか、マリーンの歩みは軽い。ルンルン気分のマリーンに水を差す事ができず、キャスリーンは手を前に伸ばしたまま、動く事ができなかった。

 パタンとドアが閉まり、セーラムと二人きりになる。伸ばしていた手を戻し、不安げにセーラムを見ると、まるで太陽のような輝きを放つ笑顔で彼女を見ていた。

 そしてキャスリーンが何を考えているのか、見抜いているらしい。


「キャスリーン、心配しなくて良いよ。君は私の婚約者なんだ。ドレス数着くらいどうって事ないよ。むしろ甘えて欲しいくらいだ」


 とろけそうなほど甘い笑みにキャスリーンは、俯かずにはいられない。彼の顔を直視する事ができないのだ。


(キャスリーン、好きになっては駄目よ。これは契約なんだから……)


 これは契約、これは契約……そう心の中で唱えているキャスリーンは、小刻みに震えているうさぎのように見えているらしい。セーラムは思わず手を伸ばし彼女の頭を撫でる。

 ビクッと体を縮こませたキャスリーンに驚いたセーラムは、無意識のうちに頭に触れていたことに気づいた。


「ごめん、頭を撫でるなんて失礼だったね」


 さっと離したセーラムの手を、キャスリーンは残念そうに見つめる。頬を染め上目遣いでこちらを見ている彼女にセーラムは微笑みを返す。それは彼にも実は余裕がない事を示しているのだが、彼女がその事に気づく事はなかった。


 

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