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魔力が枯渇してしまいました

使い魔登場

ご機嫌よう。リンネアル・サント・エルドラドです。昨日は婚約者兼恋人が出来ました!これからは毎日手紙を書くことを約束してお別れをしました。


「よかったな、我が愚妹よ」


「え?」


「“庭師のお爺ちゃん”から聞いた。早速ヴァイスの奴といい仲になったんだろう?お前やるな」


「い、いや、そんな…」


「さすがは我が妹だ。将来有望だな?」


「あ、あはは」


それほどでもないんだけどな。


「それで?魔法学の方はどうだ?」


「えっとねー、今使い魔を使えるようになったところ!」


見せてあげるね、といって使い魔を呼び寄せる。私の使い魔は怪猫シャパリュ。妖精の王で、精霊の加護を受けたこの国では有名な存在。このエルドラドの王族としか契約をしないと言われる力の強い使い魔だ。とっても大きくてとってももふもふでとっても可愛い。だけど注意が必要で、下手をすると、わざとじゃなくても契約者の魔力を吸い尽くしてしまう。


「お前…シャパリュと契約したのか!?」


「うん!」


「やられた…お前、実は結構ちゃっかりしてるな」


「えへへー」


シャパリュは契約者が死なない限り他の人とは契約しない。また、契約者のことは死んでも守ろうとする。忠誠心が強いのだ。


「でも、あんまり調子に乗るなよ。シャパリュは下手をするとお前の魔力を喰い尽くす。特にお前はアメジストの瞳を持ってないんだから…」


「はーい!」


私は適当に返事をしてシャパリュを可愛がる。


「まったく…やっぱりまだまだ子供だな」


ティラン兄様に呆れられながらもシャパリュをブラッシングしてあげていた時。


「あれ?」


突然体に力が入らなくなる。ぱたりとその場に倒れこむ。


「…おい、我が愚妹よ。変な冗談は止めろ」


ティラン兄様が私を抱き起こしてくれる。でも、力は入らない。


「…おい、おい!リンネ!くそ、マジか!こんなに魔力が…!リンネ、今すぐこの化け猫を還すか殺せ!お前の命令なら聞き入れる!」


「にゃー…」


心配そうにシャパリュが顔を舐めてくれる。シャパリュを還すならともかく殺すとか絶対無理。


「シャパリュ、小さくなあれ」


「…!そうか、小さくすれば魔力の減りは少なくなる!」


シャパリュは命令通り普通の猫よりちょっと小さいサイズにまで縮みました。


「…仕方ない。リンネ、緊急事態だから俺の魔力を少し分けてやる。有り難く思えよ」


ティラン兄様が私の胸の辺りに手を翳すと、途端に体が楽になり動けるようになりました。


「ありがとう、ティラン兄様!」


「まったく…次はないぞ」


「はあーい!シャパリュ、これからは緊急事態以外はこのサイズでいてね」


「おい、こら。まさかずっと呼び出したままにする気か?」


「うん!」


「…はあ。次はないからな!」


ティラン兄様がシャパリュに手を翳します。なに?


「…これでしばらく大丈夫だ。お前はアメジストの瞳を持たないんだから、あんまり調子に乗るなよ」


「?シャパリュになにしたの?」


「さあね。お前にとって悪いことじゃないさ」


「…ふうん?ティラン兄様ありがとう!」


「どういたしまして」


ぽんぽんと私の頭を撫でてくれるティラン兄様。なんか迷惑かけてごめんなさい。

魔力大事

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