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添い寝です!

起きたら目の前に兄王様

ご機嫌よう。リンネアル・サント・エルドラドです。何故かティラン兄様が私のベッドの上にいます。何故か。


「…おう。起きたか」


「おはよう、ティラン兄様!」


なんで私のベッドの上にいるのかは知らないけれども。


「おはよう、我が愚妹よ」


「どうして腕枕してくれてるの?」


「せっかく来てやったのに、朝早くからだからってお前がいつまで経っても起きないから、特別に添い寝してやろうと思ってな」


「わあい、嬉しい!ティラン兄様大好き!」


ティラン兄様にじゃれつくように抱きつく。ティラン兄様は為すがままだ。


「ティラン兄様、三つ編みいじっていい?」


「いいけど、あとで編み直せよ」


ティラン兄様の長い三つ編みを解いてポニーテールにし直す。ティラン兄様のリボンは紫色で、艶々キラキラしていてとても綺麗。白銀の髪にとてもよく似合う。


「ティラン兄様ポニーテール似合うね!」


「ふうん。俺の髪いじるの好きなの?」


「うん!好きだよ!」


「あっそ」


ティラン兄様はそのまま私の好きにさせてくれる。普通に縛ったり、ツインテールにしたり、お団子にしたり色々遊んだけれど怒られることはなかった。


「じゃあ三つ編みするね!」


「おう」


「ティラン兄様の髪さらさらきらきらで綺麗!」


「今更かよ」


くくくと笑うティラン兄様。だって色んな髪型で遊ぶの楽しかったんだもん。


「それで、何か用事?」


「ん。お前の婚約者を決めてやろうと思って。どれがいい?」


「えっ!?婚約者?」


もう!?ティラン兄様にたっぷり溺愛されてから一番いい人を婚約者にしてもらおうと思ってたのに!


「そんな顔するなよ。なにもお前を王城から追い出すためじゃない。ちゃんと年頃になって結婚するまでは置いておいてやるよ」


気が変わらなければな、とティラン兄様。


「でも私、ティラン兄様と離れたくないよ」


「…!ばか、いつだって里帰りできるだろ。それに、当分先のことだよ」


私の言葉がよっぽど嬉しかったようで、照れ隠しに私の頬をむにむにと摘んだり伸ばしたりするティラン兄様。


「とりあえず、ほら、釣書。みんなこぞってお前を欲しがってるぞ」


なんたってエルドラドの王女だからな、とティラン兄様。


「まあ、お前に対して色無しなんて要らないなんて生意気なことを言う奴も中にはいたが、そいつらは全員潰しておいた」


それは比喩表現?物理的に?とは聞けないし。


「ティラン兄様、色無しって?」


「うん?ああ、教えてなかったか。王族なのに、髪が白銀でもなくて、瞳がアメジストでもない子のことだよ」


「ああ、そうなんだ…」


「…安心しろ、ちゃんと俺がこの目で見て選んでやった奴らばかりだ。変なのは混じってない」


ついでに変なのは潰してきたしな、とティラン兄様。だから比喩表現なのか物理的になのかどっちなの?


「そ、そっかー。じゃあ見てみるね」


大体がエルドラド国の公爵令息だった。みんなかっこよくて、幼いのに色々な経歴を持つ典型的な公爵令息ばかり。優秀なんだなぁ。すごい。でも私が気になったのは。


「ティラン兄様、この人がいいな」


ヴァイスハイト・ファイン・ハイリヒトゥーム。ハイリヒトゥーム国の第一王子で次期王太子と目される高貴な人…らしい。プラチナブロンドの髪に蒼い瞳。結構な美男子で、成績優秀。性格は穏やかな人らしい。短めに切った髪が爽やかだ。でも、ティラン兄様みたいに髪型で遊べないなあ。…ハイリヒトゥームは確か、エルドラドの同盟国で、エルドラドほどではないが広い領土と高度な文化を持つ。エルドラドと違い精霊の力を借りずに魔法を使う魔法学の先駆者でもある。もしエルドラドの第一王子に嫁げば…まあ、妃として色々な苦労はあるだろうけれども、幸せになれるのでは?同盟国の王女なわけだし、丁重に扱われる筈だし、穏やかな人なら安心できるし。ハイリヒトゥームはエルドラドと違い一夫一妻制だから、その辺も安心だ。


「ふうん。ハイリヒトゥームね。いい選択したな」


軽く頭を撫でてくれるティラン兄様。うん、ヴァイスハイト様を選んで正解っぽい。


「じゃあ、早速明日顔合わせするか」


「え!?明日!?」


「ん。明日ちょうどハイリヒトゥームから俺に会いにくるんだよ。その王子」


「なんで?」


「そりゃあお前、同盟国だからだよ。立場はこっちのが上だから、その王子が挨拶に来るのは当然だろ?」


えええ。そういうものか。


「じゃあ、楽しみにしてるね!いい人紹介してくれてありがとう、ティラン兄様!」


「はいはい、どういたしまして」


そうして私とティラン兄様は、そのまま一緒に朝食をとりました。ああ、明日緊張するよー!

婚約者決定

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