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私の初めてのお友達

男爵令嬢は

私はミレア・ファータ。男爵令嬢です。といっても、我が家は名ばかり男爵家と言われております。権力も財力もない、歴史ばかりの家ですから、仕方がありません。そんな私が、何故かこの度王家のお茶会に招待されました。どうしましょう。ドキドキします。弟がいてくれれば心強いのですが、弟は当たり前ですが私よりも幼いため招待されていません。とにかく、失礼の無いようにしないと…!


「初めまして、王女殿下。私はオムデネージュ家のレアナです」


「本日はお招きいただきありがとうございます。私はファータ家のミレアです」


「王女殿下。私はファンタズマ家のシータです。以後お見知り置きを」


ど、どうにか王女殿下にご挨拶できました!王女殿下はとても上品で、素敵な方です。憧れてしまいます。思わず王女殿下を目で追ってしまいます。…貴族ではない、宮廷魔術師の方とお話をしているようです。


…あ、宮廷魔術師の方が離れていきました。あれ?王女殿下がこちらにやってきます。ど、どうしましょう!?


「ミレアさん、ちょっといいかな?」


「はい、どうされましたか?」


「あの…趣味とか、ある?」


王女殿下は一人でぽつんといた私を心配して話しかけてくださったようです。なんてお優しい方なのでしょう。


「そうですね…読書とピアノが好きです」


「読書!例えばどのような?」


「そうですね…『サジェス家の人々』などでしょうか?」


「…!私も、あのシリーズは読んでいます!愛憎渦巻く昼ドラ的展開が面白いですよね!」


「昼ドラ…?」


私の知らない言葉です。王女殿下は博識なのですね。


「あっ。えっと、その、げ、劇のようで!」


「ああ!ふふ、そうですね。劇にしたら、面白いと私も思いますわ」


王女殿下と思わぬ共通点が出来ました。嬉しいですわ。


「あの…ミレア様…ちょっとお願いが…」


「はい!私で宜しければ」


「その、と、友達になっていただけませんか!?」


…!?えっ…でも、私、私なんかが、王女殿下のお友達に!?


「えっ…い、いいのですか?その…私は男爵家の者ですし、王女殿下に相応しいとは…」


「そんなこと!我が愛すべきエルドラドの誇り高き貴族であることに変わりはありません!それに、あちらには貴族ではない私のお友達もいますし」


「え?」


『我が愛すべきエルドラドの誇り高き貴族であることに変わりはありません!』


なんて、なんてお優しいお言葉でしょう。私を、この国の貴族として認めてくださるなんて…。


それに、貴族ではないお友達。王女殿下は本当に素敵な方ですわ。


「貴族ではないお友達…王女殿下は、誰とでも仲良くなってしまわれるのですね。素敵ですわ」


ならば、私も…お友達にしていただいても許されるかしら。


「では、よろしければ私もお友達にしてくださいませ」


「はい、喜んで!よろしくお願いします!」


「こちらこそですわ。それと、王女殿下。…誇り高き貴族と言ってくださってありがとうございます。我が家は名ばかり男爵家と言うか権力も財力もない、歴史だけの家でしたから…光栄ですわ」


そのせいだけではありませんが、今までお友達というお友達もいませんでしたから、余計に。


「私こそ、ミレアさんのような素敵な方とお友達になれて光栄です!」


こうして、私は初めてのお友達を得ましたわ。これからが楽しみですわ。

王女殿下のお友達に

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